3年生座談会 那覇西高等学校野球部（沖縄）vol.2 「準決勝までの夏の全試合を振り返る」
創立30周年を迎えた那覇西。これまで夏の大会での最高位はベスト16であったがこの夏、同校初の8強進出ばかりでなくベスト4まで駆け上がった。第1回では夏の大会を終えての心境について語っていただきましたが、今回は初戦から一戦ずつ振り返っていただきました！
冬の練習で培われた粘りが強さとしてチームの長所になっていた赤嶺 由生郎選手（県立那覇西高等学校）
――では夏の選手権沖縄大会を、一戦ずつ振り返ってもらいましょう。まずは、初戦の沖縄工から！
高江洲：1番打者が好打者で、警戒しつつも2球目を右中間へ運ばれて三塁打。2番を打ち取ったものの、次打者にあっさりとセンター前へ運ばれて先制されました。
赤嶺：すみません、ホントに。
高江洲：もう1点取られて2点のビハインド。今までの那覇西なら負けムードだったけど、なんと直後に同点にしました。ビッグイニングは作れない那覇西だけど、冬の練習で培われた粘りが強さとしてチームの長所になっていました。
新田：この試合で立ち直す力がついたなぁと思いますね。
我那覇：バントミス、すみませんでした！
高江洲：（バントの上手い）翔也がダメならしゃーない！
宮城：大会前の練習試合でも、終盤追い付くという力はついていたよな。
高江洲：5対2というスコアだったけど、僕らは焦ることなく平常心でいられたことが、3点差以上に心に余裕があった。それが2回以降に繋がっていったよね。
沖縄工110 000 000 | 2020 001 02× | 5那覇西沖縄工：稲嶺、新垣寛、上原-金城翔那覇西：赤嶺-高江洲三塁打：仲地（那）、赤嶺（沖）二塁打：仲地（那）
――2回戦・コザ戦について
宮城：まず、コザの圧倒的な応援団。アウェー感（コザしんきんスタジアム）あったなぁ。秋春と2回戦で負けてて。0対1の展開だったけど誰も諦めていなかった。8回、自分が三塁打を打ったんです！
新田：良く打った！
宮城：続く高江洲の強いサードゴロの間に同点。嬉しかったですね。
我那覇：あれは涙出たね。
宮城：コイツが打ったら奇跡というくらい、全く打てない9番大城がこの試合2本目となるヒットを打って満塁。そこで打ったのが1番仲程の三塁打。
赤嶺：あれはシビれたね。大きかった。ホントに暑い日で、コザは足が攣る選手が出てしまった。那覇西が出なかったのはミネラル分など、これでもかっ！ってなくらい僕たちに取らせてくれた綾子先生のおかげだよな。
（一同、深く頷いて）赤嶺：コザ戦のMVPは綾子先生ってことで！（全員拍手）
那覇西000 000 050 | 5001 000 000 | 1コザ那覇西：赤嶺-高江洲コザ：松堂、照屋、松堂-仲宗根三塁打：宮城律、仲程（那）、金城（コ）二塁打：宮城律、仲地（那）【試合レポート】
[page_break:3回戦・宜野湾戦について]3回戦・宜野湾戦について赤嶺 由生郎選手（県立那覇西高等学校）
――3回戦・宜野湾戦について
我那覇：序盤、赤嶺が打ち込まれたけどそのあとみんなで粘って守り抜いたのが那覇西が成長した部分かな。
赤嶺：すみません。
我那覇：那覇西は左投手が苦手。それもあって相手のテンポになりました。そして9回、1対3と負けている場面で那覇西が誇るスラッガー宮城 律希君が二塁打！
高江洲：不覚にも泣いてしまって。それでボールが見えなくて三振した高江洲です（笑）
我那覇：そこで仲地の三塁打。シビれた。そして赤嶺の同点打！
赤嶺：春は4番として立ったけど、この大会全く打てなくて。でもここで打たなかったら終わり。キャプテンとしてまたみんなの力を借りてライト前へ放ちました。そして延長12回、終止符となるタイムリーを放ったのは誰でしょう？
我那覇：はい。我那覇です。あのときは二死三塁で。由生郎も頑張っていたしなんとかしてやろうと思ってセンター前へ打ちました。
宜野湾100 000 200 000 | 3000 000 102 001×| 4那覇西宜野湾：比嘉-津波古那覇西：赤嶺-高江洲三塁打：仲地（那）二塁打：高江洲2、宮城律、我那覇（那）、與那嶺、津波古（宜）
――準々決勝・前原戦について
新田：今日が最後になるかもという気持ちで挑んで。でも電光掲示板に名前が載って少し浮かれてたナイン。そこで赤嶺が締めてくれて。その赤嶺が強力打線の前原をゼロで抑えました。
赤嶺：9回裏二死一、二塁と相手のサヨナラチャンス。完璧に捉えられて右中間へ。でも仲程の1歩目が良くてダイビングキャッチ。前原スタンドからはため息、那覇西スタンドからは歓声が上がった。
新田：10回にスクイズを決めたけどその裏取られて。満塁策で1番と勝負。赤嶺がピッチャーフライに斬り、強いセカンドゴロを我那覇が捌いて。
高江洲：満塁ではストレートで押すぞと決めていました。
赤嶺：何も考えず高江洲のミットめがけて放りました。
新田：ヤバイね。今思い出しても緊張するね。12回表の攻撃は二死から我那覇がレフト線へ二塁打。ここで自分が打席に立つけど絶対打つと。ホームでのクロスプレーだったけど我那覇のスライディングが良くてセーフ。でもその裏二死三塁。もうドキドキで。でもみんな笑顔で。ピッチャーゴロで初のベスト4。校歌も楽しく歌えました。
赤嶺：サッカー部も来てくれて。200名超える応援団。コザしんきんスタジアムまで来てくれた方には感謝しかないです。
那覇西000 000 000 101 | 2000 000 000 100 | 1前原那覇西：赤嶺-高江洲前原：山根-中村利二塁打：仲程、我那覇（那）、仲村（前）
[page_break:準決勝・嘉手納戦について]準決勝・嘉手納戦について――準決勝・嘉手納戦について
赤嶺：初のベスト4で浮かれ気味のチームを引き締めました。西崎球場での練習も、報道陣マスコミがいっぱいいるんです。これまで見たことのない景色でした。オレたちって、こんな場所まで来たのだなぁと。調整の難しい一週間だったけど準決勝の朝を迎えてみんなの気持ちはひとつ。ここまで来たら甲子園！
一年生大会優勝して、興南、八重山商工という強豪を倒してきた嘉手納の力を痛感させられる試合だった。1点失ってさらに四球から知花くんにホームランを打たれて。それでも今までの那覇西と違うのは気持ちを切り替えていけるところ。バックの守りもあって3回以降はゼロで抑えて。新田の3安打、宮城の毎試合安打を含む計7安打。でも仲地 玖礼君に軍配が上がったというところではないでしょうか、みなさんどうですか？
我那覇：勝ってたら甲子園だったかな。
宮城：なんとも言えない。
赤嶺：ここまで逆転したり延長を制してきた那覇西だから仲間を信頼したし、負けはしましたけど最後まで諦めない良い試合だったのではないでしょうか、みなさん！
全員交互に：思い出したら悔しくなってきたな。
新田：「最後ショートゴロで終わったけどベンチで声出してて負けた気がしなくて。整列して相手と握手をしたときに、あぁ終わったんだなと。でもみんか頑張ったな。
宮城：負けたけど悔いはない。胸張って学校に戻ろうとしたけど、これでみんなとの野球が終わりと考えると涙がね、止まらなかったね。
赤嶺：那覇西が嘉手納に負けたことで、嘉手納には甲子園に行ってほしいと託したときに込み上げるものが...。でも高校野球最後の試合を、嘉手納さんと出来たのは嬉しかったです。
一同：ありがとうございました。
那覇西000 000 000 | 0012 000 000 | 1嘉手納那覇西：赤嶺-高江洲嘉手納：仲地-知花本塁打：知花（嘉）二塁打：仲井間（嘉）【試合レポート】
第3回は、那覇西ナインがこれまでお世話になった沢山の先生方に向けてメッセージを贈ります！
今年も大好評！【僕らの熱い夏2016 特設ページ】
