スイッチ1つで勝手に部屋を掃除してくれる“ロボット掃除機”。わが家では3年前から「ルンバ」を愛用しているが、確かにいい働きっぷりをしてくれている。しかし、人というのは、「便利になれば、さらに便利なものを」と果てしない欲望を持つもの。「掃除をやってくれるのは助かるんだけど、ゴミ捨てがなー」と思っていたのは、私だけではないハズだ。

そんな中、ゴミ捨てを極力やらずに済む画期的なロボット掃除機が登場した。東芝のロボット掃除機「トルネオロボ VC-RVS2」だ。

この掃除機、何でも約1か月間ゴミをキープしておける魔法の容器(=ダストカップ)があるという。えーっ!? 1か月もゴミを放置しておいてもいいの? ズボラな筆者にはこんなにうれしいアイテムはない。早速、その効果を試してみた。

シンプルなデザインだけど、意外とでかくて存在感あり

パッケージを開けると、本体(ロボットクリーナー)とダストステーションと呼ばれる充電台がドーン。本体は一般的なサイズだが、充電機能を持つダストステーションは、370(幅)×335(奥行き)×285(高さ)mmとかなりビッグ!

というのも、このダストステーションには、充電機能のほかに、本体が集めたゴミを自動でダストボックスへ運び込む“優れた技術”が搭載されているからだ。しかし、部屋に置いておくには、やはり存在感がありすぎー! 見た目で好き嫌いが分かれてしまいそうだ。

いっぽう、本体自体はとてもシンプル。操作は付属のリモコンを使うことを前提にしているのか、ボタンはたったの4つ。しかも、フラットなデザインでスベスベッとした感じ。

セットの中身は、本体(ロボットクリーナー)と充電台となるダストステーション、リモコンのみ。別売で本体を近づけたくない場所に設置するセンサー、バーチャルガードがある。ルンバもこのバーチャルガードは付いている

凹凸がないフラットな本体。色はグランホワイトとグランレッドの2色展開で、シンプルなデザインが好きな人向け。しかし、それとは対照的にダストボックスがごついので、ややアンバランスな印象

こうしたデザインを好む人はいいが、筆者はどちらかというとガチッとしたデザインが好きなので、見た目では「ルンバ」派。それに、持ち手がないところがイマイチだ。これも、リモコン操作で動かすことが前提になっているからであろう。しかし、ロボット掃除機を使ってみると分かるのだが、1階を掃除して、2階を掃除して、とわりと頻繁に本体を持ち運ぶシーンがあるのだ。その際、本体に持ち手があるかないかはとても大きい。

と、いきなり辛口評価だが、しかし、掃除機の実力は「見た目」ではなく「掃除力」。まずは動かしてみよう。

サイドブラシ、回転ブラシ、段差センター、排気口など、掃除に必要な機能が確認できる。こうして見ると、サイドブラシの長さが従来のロボット掃除機のサイドブラシよりもかなり長めになっていることがわかる

いろいろな機能の中にひっそり存在する主電源ボタン。場所がわかりにくく、一瞬探した。主電源のスイッチが入っていないと、充電もできないので、日頃からONにしておいた方がいいかも

本体をダストステーションに接続すると、充電開始。室温やバッテリー残量によって若干異なるが、およそ5時間でフル充電になる。バッテリーの残量は本体にあるバッテリーアイコンで確認

リモコンで「自動」を押したら、あとは掃除からゴミ捨てまでお任せ♪

本体の操作はリモコンで行うことが前提になっているようだ。本体にも操作ボタンは付いているが、ロボット掃除機というのは、本体にホコリがつきやすいという難点があるため、リモコンを使って操作した方がいい。

運転モードは「自動」「手動」「スポット」の3つ。通常は「自動」で掃除をする。気になる場所を掃除したいときは「手動」や「スポット」を使うといいのだが、リモコン操作に慣れるまで、これがなかなかいうことをきいてくれなかった。

なお、留守の間に掃除をしておきたいという場合は「タイマー」を設定しておこう。これは、ロボット掃除機だからこそできる便利機能だ。

本体にはホコリがつきやすいので、操作はリモコンがおすすめ。お掃除モードは、「自動」「手動」「スポット」の3パターン。その他に「タイマー」「マナー」「充電」「手動吸込」などすべての操作をカバー

掃除音は「標準」と「マナー」モードに切り替えができる。「マナー」は本当に静かで、こんなんでちゃんと掃除ができているのか?と疑いたくなるほど(もちろんできている)。小さい子どもやペットがいる家庭、夜間の掃除などにぜひ活用したい。「標準」でも思ったほど、音は気にならない。わが家の「ルンバ」よりおとなしい。

「自動」にしていると、掃除が完了後、勝手にダストステーションまで行き、充電をする。本体がダストステーションに接続すると、本体で吸い取ったゴミを東芝独自の技術でダストボックスへ運び込む。その際、空気と一緒に吸い込んだゴミを、遠心分離ゾーンと圧縮集塵ゾーンの2つのゾーンで分離させながら圧縮する。すると、たくさん取れたゴミが一瞬でコンパクトになり、と驚くことになる。ダストカップには、約1か月分のゴミを溜めておくことができるという。つまり、掃除開始からゴミ捨てまで、約1か月間任せっぱなしでOKということになるのだ。

ロボット掃除機の鉄則は“ロボット様”の道を確保すること。それさえきちんとやれば、こんなにラクで快適な掃除はない!

ロボット掃除機は、そのコツさえ覚えてしまえば非常に便利なアイテムだ。しかし、初めて使う人は「意外とめんどくさい」と思うかもしれない。なぜなら、床に置いてあるものを片付けてから掃除をしなければならないからだ。

ロボット掃除機に惹かれる人というのは、そもそも掃除が嫌いという人も多い。「ロボットに任せちゃえ!」とロボット掃除機を選ぶわけだが、ロボット掃除機を使うには、ロボットが掃除をしやすいように家具をずらしたり、床に置いてあるものをどけたりして、“掃除道”を作ってあげなければならないのだ。つまり、ロボットを操作するつもりが、人間が操られているのだ。でも、そのおかげで、床にモノを置かなくなった気がする。

<廊下を掃除する>障害物が少ない廊下や縁側は、ロボット掃除機に最適。移動できる家具はなるべく別の場所に移しフラットな状態にしておこう。意外な落とし穴は窓枠の段差で、ときどき引っかかって停止することがあった。掃除をするときは窓を完全に閉めた方がよさそう

また、ロボット掃除機は段差に弱い。だいたい高さ2cmまでは乗り越えられるが、それ以上になると厳しい。例えば、わが家のような和室と廊下を仕切る段差。これは和室から廊下へと若干下へ移動するため、問題はない。だが、廊下から和室は若干上に上がっている。高さにして2cmちょいだが、そこを乗り越えることができない。そういうことも、わが家では「ルンバ」で学んでいるので、和室を掃除するときは、ロボット掃除機が廊下に脱走しないように襖を全部閉め切って掃除をする。そうすれば、途中でストップすることなく、きちんと部屋の中を掃除することができる。

<段差では?>畳のある部屋(上)と廊下(下)との間にある段差は、部屋から廊下へはなんのためらいもなくガンガン進んでいくのに、廊下から部屋へのわずかな段差は乗り越えられず。部屋は部屋、廊下は廊下としっかり分けて掃除した方が効率的

<和室を掃除>廊下の段差を回避するため、部屋の障子をすべて閉め切って和室を掃除。障害物になる椅子は机の上に置いておくなどなるべくフラットな状態に。隅々まで掃除をしたいなら、とにかく極力何もないほうがよい

小さな段差には弱いロボット掃除機だが、階段などの大きな段差には「段差センサー」が働くので、落っこちることはない。どのくらいギリギリまで掃除をするのかチェックすると、サイドブラシの先端が廊下のギリギリまで掃除をしていた。賢いぞ!

<階段では?>2階の廊下から続く階段。どこまで掃除をするのか、はたまたバランスを崩して落下するのかとじっと見ていたが、サイドブラシの先端ギリギリのところまでやってきて、きちんと掃除をしてから引き返すというスグレモノ

ダストボックス機能がウリのトルネオロボ VC-RVS2だが、掃除力に大いに貢献しているのは、このサイドブラシだと思う。わが家の「ルンバ」にはこのブラシが1つしかないのに対し、こちらは2つ。しかも長さ65mmと一般的なブラシよりも長い。ブラシが長いメリットは、本体が壁や家具に接触せず、掃除ができること。窓際は、本体との距離約2cmをキープしながらゆっくり走行。本体の接触なしに掃除ができるのだ。左右のブラシの幅は約41cm。これが左右の首を振りながら2本同時に作動するのだから、ゴミの取り残しも防げる。

本体左右にあるサイドブラシは、長さ65mmと他のロボット掃除機よりも長め。また、ルンバは1つしかないのに対し、こちらは2つと数でも勝利。左右のブラシの幅は41cmあり、一度に多くのゴミをかき込むことが可能

また、壁や家具、段差などが近づくと、超音波センサーが働き、自動で減速。部屋の状況に合わせて、優しく掃除をする。こういうところが、いかにも日本製らしい。というのも、「ルンバ」は部屋や家具の配慮よりも、「とにかくガンガン掃除するぞ!」という感じでバンバンぶつかって行く。それで今まで何かが壊れたということもないので、「ロボット掃除機とはこんなもの」と筆者は思っていた。だから、トルネオロボ VC-RVS2のやけに思いやりたっぷりなところが、逆に慣れない。「こんなに静かでおりこうで、大丈夫?」と思ってしまうのだ(笑)。「ルンバ」がわんぱくっ子だったら、トルネオロボ VC-RVS2は優等生みたいな感じ? 実際、きちんと掃除をしているところも優等生なのだが。

トルネオロボ VC-RVS2の機能で、もう1つ特筆すべきことがある。それは「ダストポケット」という機能だ。ロボット掃除機では入り込めない場所のゴミや、ロボット掃除機を動かすほどではないちょっとした食べこぼしや気になるホコリ。これをほうきやフロアワイパーで、ダストポケット吸い込み口の近くに集めて、ダストステーションに設置してあるダストポケットボタンを押すと、吸い込み操作が始まり、あっという間にゴミを吸い取ってくれるのだ。

これは従来のロボット掃除機にはない新機能。でも、そんな機能あまり使わないんじゃない?と思うかもしれないが、実は意外と重宝する。というのも、部屋全体を掃除するほどではないが、机の下の食べこぼしだけを掃除したいというときが、結構あるからだ。一部分だけを掃除する「スポット」機能もあるけれど、本体をわざわざ動かすより、ササッとほうきで掃いて、ダストポケットの入口まで持っていく方が手っ取り早い。また、家具などのホコリが付いたハンドワイパーのホコリ取りもしてくれる。

自動モードの場合、掃除が完了すると勝手にダストステーションまで移動し、充電。ただし、ダストステーション付近に障害物があったり電源コードがあったりすると、うまく戻れないことがある。ダストステーション付近は何も置かないのが鉄則。そして、掃除を終えた本体がダストステーションに戻ると、集めたゴミが自動でダストカップに入る仕組み

ダストポケット機能が便利! ロボット掃除機では入り込めない場所のゴミや、ロボット掃除機を動かすほどではないちょっとした食べこぼしや気になるホコリは、ほうきやフロアワイパーでダストポケット吸い込み口の近くに集め、ダストステーションに設置してあるダストポケットボタンを押す。するとあっという間に吸い込んでくれる

ダストボックス機能で溜まったゴミは1か月放置。ボタン1つで“やりっ放し”がうれしい!

溜まったゴミはトルネオシリーズ独自の方法によって約1/5に圧縮される。これにより、約1か月間ゴミを溜めておけるという。これが、本製品の最大の魅力だ。ダストカップのゴミ捨てラインにゴミが到達したら、ゴミ捨てのサイン。ゴミを捨てるときは、ダストステーションからダストボックスを取り外す。それをゴミ箱にポイッと捨てれば、また1カ月間放っておけるというわけだ。

ダストボックスにゴミが溜まってきたらゴミを捨てる。溜まったゴミは約1/5に圧縮されているので約1か月間ここに溜めておくことが可能

とはいえ、ときどきはメンテナンスをしてあげよう。ダストボックスについたゴミやホコリは、付属のお手入れブラシで落とし、本体裏から回転ブラシや車輪などにからみついたゴミや髪の毛を取り除く。こうしたちょっとしたお手入れが、長く使い続ける秘訣となる。

ダストカップなどについたゴミやホコリは、付属のお手入れブラシでお掃除を。また、本体裏面にからまった糸くずや髪の毛などは、ピンセットなどで取り除くこと。こうしたメンテナンスはめんどうだが、それをやることで掃除力を維持することができるので頑張ろう

まとめ

ルンバ愛用者である筆者が、日本製のロボット掃除機トルネオロボ VC-RVS2を使ってみた。「掃除力」に関していえば、見た目ではあまり差がないように思う。だが、集めたゴミを約1か月間溜めておけたり、ロボット掃除機では取り切れないゴミやホコリを「ダストポケット」機能で吸い込むことができたりという点では、「トルネオロボ VC-RVS2」の方がワンランク上のように思った。

しかし、個人的にはスベッとしたデザインや、家具を配慮したやや遠慮がちな動きが優等生過ぎて、ルンバのような愛着が沸かなかった。ロボット掃除機を使い続けて感じるのが、ロボット掃除機は単なる家電ではなく、家族に近い存在になるということだ。わが家のルンバは、ときどき止まったり脱走したりとパーフェクトではないし、壁にゴンゴンぶつかりながら、自由奔放に掃除をする。そんなわんぱくを見ていると、「トルネオロボ VC-RVS2」が優等生に思えて、ちょっと距離を感じでしまうのだ。と、これはあくまでも好みの問題なのだが(笑)。


>> 1か月間取ったゴミを放ったらかしでOK! ロボット掃除機「トルネオロボ VC-RVS2」を使ってみました の元記事はこちら