中国自動車市場で日系車の販売が好調だ。中国メディアの捜狐によれば、日系メーカーが好調な販売を維持している背景には、中国の若者たちによる支持があるというが、なぜ中国の若者たちは日系車を購入するようになったのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国自動車市場で日系車の販売が好調だ。中国メディアの捜狐によれば、日系メーカーが好調な販売を維持している背景には、中国の若者たちによる支持があるというが、なぜ中国の若者たちは日系車を購入するようになったのだろうか。

 記事は、低迷する韓国車を尻目に日系車が販売台数を猛烈に伸ばしていると紹介。中国で圧倒的なシェアを誇っていたドイツ車ですら「その地位は揺らぎ始めている」とし、日系メーカーがまさに反撃を始めたと指摘。特にトヨタの合弁会社の2016年1-4月の販売台数は前年同期比22.4%増に達したとしたほか、広汽ホンダの販売台数は同56.6%増に達したことを紹介した。

 続けて、中国では自動車を購入する層が全体的に若年化していることを指摘し、自動車メーカー各社も若者たちに受け入れられる車作りが求められていると指摘。一部の業界関係者の話として、「ドイツメーカーはすでに若年層を統治する力を失っている」と伝える一方、若年層はトヨタやホンダを非常に好んでいると指摘した。

 さらに中国若年層にとって、中年以上の中国人の間で人気だった車種は古臭く映っているようだとし、若年層の消費者はむしろ「個性的」で、「自分を表現できる」車種を好むとし、韓国車の没落もあり、日系車に人気が集まり始めているのだと論じた。

 中国では「憤青(憤怒青年の略)」と呼ばれる愛国心の強い人びとがいる。数年前に起きた反日デモにおいても、その中心にいたのは若い中国人だった。こうした憤青に代表される若年層は反日感情が強い人が多いのかとおもいきや、中国の多くの若年層は歴史や領土問題にとらわれず、あくまでも理性的に自動車を選んでいるようだ。中国において日系車の性能や安全性、コストパフォーマンスの高さが正当に評価されるようになっていることが見て取れる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)