MVNO(Mobile Vertual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が提供する「SIMフリー端末」が普及する中にあって、「使うだけで社会貢献ができる」という世界で初めての仕組みを導入した格安SIMが、日本で発売される。

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 MVNO(Mobile Vertual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が提供する「SIMフリー端末」が普及する中にあって、「使うだけで社会貢献ができる」という世界で初めての仕組みを導入した格安SIMが、日本で発売される。アイストリーム(東京都渋谷区、代表取締役:松本洋一)が2015年7月からサービス開始する「ファンダム支援SIM」は、月額398円から利用できる格安SIMサービス(データ通信のみ)ながら、事業から得られる純利益のうち「株主配当」に相当する部分をNPO法人等に寄付するという、ファンドレイジング(民間非営利組織の資金集め)の仕組みを取り入れた。7月8日からアイストリームの公式ホームページで事前予約の受付けを開始した。

 「ファンダム支援SIM」は、通信速度はLTE/3Gの高速モードのみに対応し、通信料は月末までに使ったデータ量のみの支払い。データの上限容量が200MBは月額398円で利用できる。また、1つの契約で最大19枚のSIMカードが購入可能で、家族や団体などで自由にデータのシェアができるため、使い方を工夫することによって通信コストを抑えることも可能になっている。

 使い過ぎが気になる人は、データ通信量の上限をあらかじめ設定して通信費を一定水準に固定する使い方や、通信料の上限設定を行って、その金額分だけのデータ量を利用することも可能。データ量や通信料の上限を設定した場合でも、利用データ量が上限に近付いた場合にはメールで事前連絡が入るため、必要に応じてデータ量の上限を変更することも可能。ユーザー自身がデータ量や料金を管理できるため、「データ量が余ってもったいない」などということがなく、全てのユーザーの通信料節約をサポートできるとしている。

 また、最大19枚のSIMを使ったデータシェア(20名以上の団体・企業向けには別途契約を用意)は、料金計算を全員の平均値で行うことによって、データ量が余っている人から足りない人への受け渡し等の操作の必要がない。さらに、会員ページの「管理ツール」によって、各SIMのデータ量の目安設定も可能になっており、たとえば、子どもの使い過ぎ防止のために月間利用データ量の上限を設けることなどもできる。

 一方、スマートフォンの利用に応じてNPO法人に寄付することができるファンドレイジングの仕組みは、通常、企業が純利益から内部留保を差し引いて「配当」として株主に還元する部分をNPO法人に寄付するという仕組み。ユーザーは、非営利法人向けファンドレイジングサイト「ファンダムビレッジ」内で、支援したいNPO法人を選択することができ、支援ユーザー数と支援ユーザーの総利用料金に応じて、各NPO法人への寄付額が決定される。ユーザー自身の寄付金額累計等は、会員ページからいつでも確認できるため、社会貢献活動に参加している実感を得ることもできる。このようなスマートフォンの利用料に基づいたファンドレイジングの仕組みは、世界で初めての実施事例になるという。(編集担当:風間浩)