本来、借り主の事情で鍵を交換したい場合は、自分で変えてしまわないで、管理会社か貸主に事前に相談していただくよう、契約書に明記されているはずです。

室内で事件が起こった、水漏れがあった、火元になったなどの非常時のために、鍵は管理者も必ず持つようにしています。

――退去時に、自分で取り換えたことを貸主に告げずに鍵を返す人もいるそうです穂積さん:それは悪質ですが、入居時の契約書に、鍵のメーカーや鍵番号を記入した「鍵受け取り書」の項目があり、ごまかしても露見します。

安全に暮らすためにも、鍵を取り換える必要があるときは、貸主側に必ず告げてください。

――鍵の紛失でトラブルや事件になることがあると聞きます穂積さん:鍵と身分証明書をいっしょに落とした、盗まれたなどの場合は、警察に届けたあと、貸主側に連絡してください。

鍵をすぐに取り換える必要があります。

また、鍵にはマンションの名前と部屋番号などを書いた札などを付けないようにしましょう。

拾得者がその鍵を使って侵入した事件もあります。

――ありがとうございました文字通り、鍵は、自分の暮らしの玄関です。

安心して暮らせるよう、新しい部屋に入居するときには管理会社に、「交換してありますよね?」と確認をし、費用についても契約前に自ら確かめるようにしましょう。

監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。

宅地建物取引主任者。

その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た! 〜部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍 1,155円)に描かれました。

同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(藤井空/ユンブル)