チェルシーからパリ・サンジェルマン（PSG）に移籍し、いきなりキャプテンとして開幕からの3試合すべてにスタメン出場しているクロード・マケレレ。チームは3戦して1勝1敗1引き分け（11位）という戦績だが、選手たちの目の色に昨季までとは違う自信が見て取れるのは、35歳という年齢を感じさせない溌剌としたプレーでチームを引っ張っているマケレレの存在が大きいのは確かだ。

　プレーの面でも、相手の攻撃の芽を早いうちに摘むというマケレレの“貢献度”は、開幕3試合にして3枚というイエローカードの多さにも表われている。おそらく9月13日の第5節（対ナント）には、警告累積で出場停止となる。

　そんなマケレレの活躍にフランス代表のレイモン・ドメネク監督も目が離せないようだ。ル・パリジャン紙によると、ドメネク監督はマケレレにW杯予選（9月6日オーストリア戦、10日セルビア戦）への出場を打診した模様。ただし当のマケレレはユーロ2008のグループリーグ敗退直後に代表引退を表明している。

　マケレレはこれまで、ユーロ2004、2006年W杯と、2大会終了後に代表引退の意思を表したが、いずれもドメネク監督の要請を受けて復帰している。最初の場合は、正しくは“盟友”ジダンの要請を受けて、というべきかも知れない。2度目となったチェルシー時代には、クラブでのプレーに専念するよう希望したモウリーニョ監督（当時）の不興を買うことにもなった。

　ドメネク監督は、国の代表に招集を受けた選手がそれに応じるのは“義務”という主張をもっており、選手個人やクラブの事情を平然と無視する姿勢でこれまで何度となく騒ぎを起こしてきた。W杯に向けて若返りが課題というタイミングで、代表引退を決意した35歳のベテランをあえて呼び戻そうとする意図については、“不可解”という反応がほとんどだ。現時点でマケレレ本人は一切コメントを出していない。