チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督とマンチェスター・ユナイテッドのMFクリスチアーノ・ロナウドが、メディアを通じて激しい口論を繰り広げている。

 きっかけとなったのは、先週末のニューカッスル戦後にモウリーニョが語ったコメント。0−0で試合を終えたこのポルトガル人監督は、「プレミアリーグには新たなルールがふたつ生まれている。ひとつは、マンチェスター・ユナイテッドが犯したファウルにはPKの判定を下さないこと。そしてもうひとつは、チェルシーにPKを与えないことだ」とコメント。相手DFがエリア内でハンドを犯しながらPKが与えられない上に、タイトルを争うマンUが、シェフィールド・ユナイテッド戦(17日)とミドルスブラ戦(21日)の2試合で、微妙な判定の結果、PKを逃れたことを激しく非難した。

 この発言に嫌悪感を示したのが、マンUのロナウドだ。先日、PFA(イングランド・プロ選手協会)の年間最優秀選手に選出されたロナウドは、同胞監督のコメントについて、「注目を集めたいだけ」と批判した。

「PKの判定についてモウリーニョが色々言っているみたいだけど、僕はあまり関わりたくないね。彼がどんな人間かは、もうみんな知っていることだし。彼はいつも何か大きなことを言って、注目を集めようとする。選手のパフォーマンスが気に入らないときは特にね。自分の采配ミスは絶対に認めようとはしないけど」

 このコメントを聞いたモウリーニョは、「嘘つきはトップレベルになれない」と応戦した。

「今シーズンのマンUがPKに繋がるファウルを犯した場面で有利な判定を受けているのは事実だ。もしロナウドがこれを認めないのであれば、それは嘘をついているとしか言いようがない。彼は素晴らしい選手だ。すでに世界一の選手かもしれない。しかし、もっとレベルアップするには、事実を受け入れられる大人になる必要がある。嘘つきではトップレベルに到達出来ないだろう」

 ポルトガルを代表する監督と選手が、イングランドの地で繰り広げる場外バトル。熾烈なタイトル争いが生んだ中傷合戦は、今後に遺恨を残すものとなりそうだ。