22日、トレードの噂がささやかれるなか、ドジャーズの黒田博樹がワシントン・ナショナルズ戦に先発したが、序盤の失点が響いて試合は7対2で敗れ、12敗目を喫した(7月23日付公式HP)。

 7月31日のトレード期限を目前にして、トレードの噂がささやかれているが、試合前、黒田は「今日の試合に備えてきた。試合が終わったら、少し落ち着いてトレードのことも考えられるようになるかもしれない」と話していた。

 黒田は初回に1点を失ったが、問題は2回。2アウトから相手投手のジョン・ラナンに2点本塁打を打たれてしまった。ラナンはこの試合が始まるまでは打率.057だったが、メジャー第1号となった本塁打に加え、7回にも黒田からヒットを打った。初の本塁打にラナンは「球に当てようと思ってただけなのに、フェンスを越えた。ほんとにあったこととは思えない」と驚きを隠さず、打たれた黒田は「スライダーが曲がらなかった。投手に打たれてがっくりだ」と述べた。

 黒田はその後立ち直ったが、7回にラナンにヒットを許したところで降板。リリーフ陣が踏ん張って、9回まで3対2と試合を作ったが、9回表に一挙4点を失った。

 ドジャーズは得点圏に走者を出すものの、5度のチャンスをことごとくつぶし、4回の2点も相手のエラーに助けられたものだった。ドン・マッティングリー監督は「点を入れなければ勝てない」と打線の奮起が必要だと強調した。

 打線がもっと充実している球団だったならば、防御率3.19と安定している黒田は6勝12敗などという成績ではなかったに違いない。契約にトレード拒否権が含まれているため、最終的な判断は黒田に任されているが、黒田自身は最初から拒否権を振りかざすつもりはないと述べていて、トレードの可能性がまったくないわけではない。