そして、それらをコントロールしているのが、尹晶煥監督の戦術眼なのである。

■尹晶煥監督の采配も冴える

第13節の札幌戦では、岡本知剛をアンカーの位置に置く4−1−4−1で試合に入った。
「厳しい試合になると考えていたので先制点が欲しかった」(尹晶煥監督)のがその意図だが、目論見どおりに12分に先制すると、後半からはいつもの4−4−2に戻して逃げ切りを図った。このシステム変更に、札幌は成すすべなく、後半に放ったシュートは0本だった。
しかも、この試合では早坂良太がボランチに入る柔軟さを見せている。

鳥栖の形に固守するだけでなく相手に合わせてシステムを組み変えたり、適材適所への選手の起用を行ったりと尹晶煥監督の采配が、さえに冴え渡っているのである。
これには、スタッフのスカウティングの力もあるだろう。その作戦意図を十分に理解する選手の能力も必要である。

そして、その戦術を全員でやり抜こうとする強いメンタルも欠かせない。
今季の鳥栖は、まさに「全員でハードワークを行っているからこそ良いリズムが生まれ、勢いがついている」(木谷公亮)のである。
この勢いに、「最後まであきらめないでプレーを続ける」(豊田陽平)気持ちを全員が持っているからこそ、結果がついてきているのである。

■著者プロフィール
【サカクラゲン】
佐賀県出身。『J's GOAL』や『サッカーダイジェスト』・『EL GOLAZO』・『サッカーマガジン』などで主にサガン鳥栖関連の記事を寄稿している。またCS放送スカパーJリーグ中継で主に鳥栖スタジアム開催試合の解説を行うことも多い。


携帯版閲覧方法
『サッカーを読む! Jマガ』公式携帯サイト

QRコードでのアクセス

docomo_qr

携帯各キャリア・メニューからのアクセス

  • docomo:iMenu → メニューリスト → スポーツ → サッカー→【サッカーを読む!Jマガ】
  • au:au oneトップメニュー → スポーツ・レジャー → サッカー →【サッカーを読む!Jマガ】
  • SoftBank:Yahoo!ケータイ → メニューリスト → スポーツ → サッカー →【サッカーを読む!Jマガ】



  • 【関連記事】
    【全文掲載】私、都リーグの味方です【後藤勝】
    日本にいなかったタイプのストライカー永井謙佑の成長と価値【小澤一郎】
    「リベンジ」となる水戸との北関東ダービー【鈴木康浩】
    【全文掲載】収穫を得られたとは言い難い内容に終わったペルー戦【熊崎敬】
    【全文掲載】「上回る美学」を貫くポポヴィッチサッカーの挑戦