「アンナチュラル」野木亜紀子氏、俳優バッシング過熱めぐり「知見」披露 文春サムネは「ほんまゲスい」
人気ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」などを手がけた脚本家の野木亜紀子氏が2026年7月3日にXを更新し、特定の俳優名・作品名を明記してはいないが、俳優への批判が過熱している状況に懸念を示した。
映像制作現場における身体接触を巡る一般的な慣行などについて説明する中、「女性俳優の大河ドラマでの抱擁シーン」などがSNS上で他の場面と比較されている状況についても言及し、「筋違い」との考えを示した。
立場を明確にした上で私見を展開
野木氏は、「俳優バッシング」が過熱していると切り出し、「一俳優が負うべきではないことまで非難されているので見ていられない」とXに投稿。
そのうえで、自身は「本作品とは無関係のフリーランス脚本家」だとし、「業界の片隅にいる人間として少々知見を述べます」と前置きした。
野木氏は補足として、「いまの時点でテレビ局と男性俳優事務所から声明が出ており、それら内容はある程度事実だと勘案した上での話です」と説明。「文春に書かれていることを男性俳優側は否定していますし、私はそこをジャッジする立場にありません」とした。
以降の見解は「あくまで私が知る限りの、映像制作現場における一般的な話」だと断っている。
俳優が「台本にない、アドリブでの身体接触は事前に言ってほしい」と求めるのは、「現代において特段珍しい話ではない」と、野木氏。演劇のワークショップでも身体接触について事前に説明することが多いとする。
野木氏によれば、夫婦役であっても身体接触が必須というわけではなく、「作品の設定と解釈次第」だという。
台本にないアドリブによる接触が必要かどうかを判断するのは「演出(監督)の領分」だと説明。俳優のアドリブを優先する場合については、「一回目はともかく、共演相手から意見を受けたら対応が必要」だとし、双方の芝居の許容範囲を探って現場をまとめるのは「演出とプロデューサーの仕事」だと指摘した。
レギュレーション批判やSNS上の比較に反論
身体接触について「肩と腕はOKで他は相談」というレギュレーションがあったとされる点にも言及し、野木氏は「『肩と腕以外の接触は事前に相談する』程度のレギュレーションで女優失格だというのなら、世界中の多くの女優が失格になってしまう」とした。
続けて、こうしたレギュレーションがなくても、身体接触を相手に事前確認する男性俳優は多く、NG項目がある男性俳優も存在するとも説明。
女性俳優側が身体接触の制限の可能性を事前にプロデューサーに伝え、プロデューサーが理解したうえで起用したのであれば、「番組側の責任」との見方も示した。
女性俳優側が「男性俳優本人に伝えるかどうかは任せます」とした点についても、「演出なりプロデューサーが現場をコントロールしてくれると信じてのことだろうし、そういうのはよくあること。というか、普通はそう」と説明。
俳優同士が直接NGを伝え合ったりクレームを言い合ったりする事態は、「現代においてそうそう起きない」との認識を示した。
また野木氏は、男性俳優事務所が発表したとする声明の内容にも触れ、「クランクインの三ヶ月前にプロデューサーと男性俳優のマネージャーが相談して、男性俳優本人には伝えないことに決めたと書かれている」と説明。
この点について、野木氏は「番組側が『伝えなくてもこのドラマなら大丈夫だろう』と作品性を含めて判断したということ」だと認識を示した上で、「この点において女性俳優側が責められる謂れはない」とみている。
SNS上で「女性俳優の大河ドラマでの抱擁シーンなど」の切り取りがあるという点について、野木氏は、身体接触の有無は台本や事前の相談内容で決まると説明。完成映像は一般的に「役者と演出がOKした末に撮影された映像」だとしたうえで、それらを単純に比較するのは「筋違い」との考えを示した。
野木氏は「本件はあくまで、撮影段階での手続きの話なのだから、完成映像を比較しても意味ないです」と述べ、レギュレーションや事前の打ち合わせがあっても俳優は本番で自然な芝居ができるとし、「今回の男性俳優さんだって当然ながらできるでしょうし、これまでもやってきていると思います」との見方を示した。
そして「個人の感想」と前置きしたうえで、「クランクイン前に番組側がNGを伝えてあげていればなぁ」「芝居の制約がどうのなんてプロの男性俳優に対してかえって失礼だったのでは」との見方も示した。一方で、「番組側も理由あっての判断だったんでしょうし、外側からでは何が正解だったのかわかりませんけど」とも述べ、断定を避けた。
続けて、「女性俳優としたってこんなこと表に出したい話ではなかっただろう」としたうえで、「女性俳優側が男性俳優を潰そうとしているかのような言説はおかしい」と指摘。
野木氏は、「男性俳優が全て悪い!という書き方をした文春を責めるのならまだしも、女性俳優をバッシングするのは筋違い」だと述べ、インスタグラムに書き込む人に対し、「誹謗中傷で訴えられたら負けるので、今のうちに消したほうがいい」と呼びかけた。
最後に、「文春記事のサムネイル」が「女性俳優が涙を浮かべている写真」だった点について、「ほんまゲスい」としている。

