「強力なライバル」中国産抹茶が攻勢 日本の栽培法学び半額以下で大規模生産 専門家「政府としても力を入れている」

写真拡大

世界的な抹茶ブームを背景に、中国・浙江省で大規模な抹茶の生産が進んでいる。日本の抹茶と同じ方法で作られ、現地企業の生産量は少なくとも8000t以上と日本全体を上回っている。

価格は日本産の半額以下。専門家は、日本産の抹茶にとって強力なライバルになってきていると語る。

日本と同じ製法で高品質化進む

深い緑色に染まった広大な茶畑。中国では今、大規模投資により抹茶の生産量が増加している。

取材班:
どこまでも続くこの黒い覆い。実は中をのぞいてみると、抹茶にするための茶葉が栽培されています。

世界的に広がっている抹茶ブームをビジネスチャンスと捉え、中国で急拡大する抹茶生産の現場にFNNのカメラが入った。

取材班が向かったのは、中国東部に位置する浙江省杭州市の径山地区。山の上には、1200年以上の歴史がある径山寺がある。

訪れた参拝客には、たてたばかりの抹茶が振る舞われていた。

径山地区は中国でも有数のお茶の産地として知られているが、近年力を入れているのが抹茶の生産だ。

地元のカフェでは、特産の抹茶を使ったさまざまなスイーツメニューを販売。中国産抹茶を使ったアイスの味はどうなのか。

取材班:
これでもかというぐらい濃厚な抹茶の香りが口の中に広がり、とてもおいしいです。

抹茶スイーツを楽しむお客さんにも感想を聞いた。

子供:
抹茶味だよ。好き。

客:
抹茶コーヒーとか抹茶プリンとか、今はどれも一般的です。

客:
少し苦みがありますが、すごくさっぱりしています。中国の有名な抹茶は、日本より有名だそうです。以前は抹茶といえば日本というイメージでしたけど。

地元の人たちが誇る中国産抹茶とは、一体どのようなものなのか。

FNNは、中国でも最大規模の抹茶生産企業・抹茶村の取材を特別に許された。

取材班:
抹茶用に栽培されている茶葉です。日光を遮るための覆いがかぶされています。

抹茶の原料となる「てん茶」。収穫前に日光を遮ることで鮮やかな緑色になり、渋みが抑えられ、うまみが強くなる。日本の抹茶と同じ方法で作られていた。

抹茶村・王雨春会長:
今年の生育状況はかなり良く、去年とほぼ同じ。少なくとも8000t以上を見込んでいます。

日本に“強力なライバル”中国の抹茶

世界的な抹茶ブームにより、日本でも抹茶の原料・てん茶の生産量が増えていて、全国茶生産団体連合会によると、2025年は6278tだったという。

しかし、抹茶村の生産量はわずか数年で3倍の約8000tになっていて、この会社だけで日本全体の生産量を上回っている。

てん茶(一番茶)の平均取引価格は、全農京都茶市場で2025年は1kgあたり1万4541円で、2024年の5402円の2.7倍を記録するなど、急激な値上がりを見せているが、中国産抹茶は日本産の半額以下となっている。

抹茶村・王雨春会長:
この2〜3年で、数十から百社以上のお茶の老舗が抹茶市場に参入しました。正確に数えていませんが、数十カ国に輸出し、すでに日本の取引先も見つかってます。

専門家「抹茶に関する文化の歴史で差別化を」

抹茶の伝統文化を持つ日本の市場にも攻勢をかける、中国産抹茶。専門家は次のように話す。

流通経済大学流通情報学部・児玉徹教授:
中国産抹茶というと、低品質の、割と最近まで日本でそういう捉え方をしてきたところもあると思うが、中国政府としても高品質の抹茶を世界市場に輸出していくんだということで、日本の抹茶の作り方を勉強しながら現場に取り入れて、力を入れているところがあって、ここにきて中国産抹茶は日本産の抹茶の強力なライバルになってきている。

では、日本産の抹茶は、今後どうなるのか。

流通経済大学流通情報学部・児玉徹教授:
これだけ長い間抹茶を作って国の非常に重要な文化として育んできた。これは中国にはない話で、中国産抹茶ブランドと差別化する上で、抹茶に関する文化の歴史、これが非常に重要になってくると思います。
(「イット!」6月5日放送より)