台湾の人権史伝える特別展 白色テロ犠牲者とその遺族の物語 東京で

高一生は教育者、思想家、音楽家、詩人などとして活躍したが、自由と自治を求め、白色テロで命を落とした。長女の高菊花さんはパナナ(派娜娜)の芸名で歌手になるも、政治的に利用された他、監視され、沈黙を強いられた。一方で孫の高慧君さん、高蕾雅さんは歌手、高崇文さん、高健雄さんは演奏家として活動している。
戒厳令下の1986年、陳水扁(ちんすいへん)元総統らと共に政治的迫害を受けた台北駐日経済文化代表処の李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)は開幕セレモニーで、「台湾の民主主義、自由、人権は数え切れないほど多くの諸先輩が命と自由を引き換えにして得たもの」と説明。中国の軍事的脅威と浸透に直面する中、われわれが台湾の民主主義をさらに大切にし、守り、人権と自由を迫害する歴史的悲劇を二度と繰り返さないようにしていることを理解してほしいと語った。
高一生の次男、高英傑さんは、1952年9月10日に父親が拘束された際、家族は谷底に突き落とされたと当時の苦しさを述懐。ツォウ族の伝統衣装をまとった妹の高美英さんと共に高一生が手掛けた楽曲2曲を披露した。
(楊明珠/編集:齊藤啓介)