1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑確定後に再審無罪となった袴田巌さん(88)が14日、静岡市で行われた支援者の集会で、「長い戦いがございました。私もやっと完全な無罪が実りました」と語った。

 無罪判決確定後、袴田さんが公の場に姿を見せるのは初めて。

 袴田さんは車いすに乗り、弁護団の弁護士らと握手を交わしながら会場へ。姉のひで子さん(91)と共に壇上に上がり、いすに座ってマイクを握った。支援者から花束を受け取り、ボクシングのチャンピオンベルトを渡されると、頬を緩めた。

 ひで子さんは「(袴田さんは)まだ半信半疑でいるようなところがある。これで無罪ってことがはっきり分かると思う」と語った。