◆米大リーグ マーリンズ4―8ドジャース(18日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャーズ・大谷翔平投手(30)の今季49個目の盗塁は、相手バッテリーの「秘策」をかいくぐって成功させたものだった。試合後、マーリンズの先発左腕・ウェザーズは、初回に許した大谷の二盗を振り返り、「キャリアで初めてスライドステップ(クイック)で投げた。あのパワーとスピードは、見たことがない」と、脱帽した。

 初回、先頭の大谷に左前打を許し、続くベッツを打席に迎えたウェザーズ。通常、けん制でも右足を上げる左腕が、初球、大谷の足を警戒して、自身初挑戦のスライドステップで直球を投げ込んだ。ドジャーズ側のデータでも、クイックがないと認識されていれば、初球から迷いなくスタートした大谷も驚いたかもしれない。捕手フォーテスは、タイミング良く二塁へ送球。“大谷対策”は成功したかに見えたが、若干送球がそれた。ボールが中堅方向に転がるのを確認した大谷は一気に三塁へ。試合開始1分で無死三塁のピンチとなった。

 「走るだろうという予想はしていたから、驚きはなかったよ。試合の序盤に先制点を狙うのは、普通のこと。ただ、ベストのグリップではなく、送球が少し短くなってしまった」と、悪送球を悔しがったフォーテス。ただ、続くT・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁に突っ込んだ大谷をアウトにし、「彼は俊足だから、どんなゴロでも走ってくると思っていた」と振り返った。

 試合は3本塁打を含む11安打8失点と、強力打線に屈した格好だが、大谷は5打数1安打で、一発は許さなかった。これで大谷は「48本塁打、49盗塁」。19日(同20日)は3連戦最終戦。このまま、大谷を黙らせて、偉業達成を阻止するつもりだ。