イランの最高指導者であるハメネイ師がX(旧Twitter)に投稿したポストに対し「.」という返信を行ったことが政権批判と見なされ、作家兼活動家のホセイン・シャンベザデ氏に対し懲役12年の刑が宣告されました。

Iran writer Shanbehzadeh sentenced to 12 years after tweeting dot to supreme leader : NPR

https://www.npr.org/2024/09/02/g-s1-20579/iran-sentenced-12-years-tweet-supreme-leader



A single dot under Khamenei's tweet gets Iranian blogger long jail term | Iran International

https://www.iranintl.com/en/202408311891

シャンベザデ氏は長年にわたりイランの指導部を批判してきた人物で、政治囚の支援やヒジャブ着用義務の撤廃を訴えてきました。2019年には「イスラム共和国の神聖さと指導者を侮辱した」罪で投獄されています。

そんなシャンベザデ氏は2024年5月2日に、ハメネイ師がX上で行ったポストに対し「.」と返信しました。シャンベザデ氏の投稿にはハメネイ師の元の投稿よりもはるかに多くの「いいね」が付けられていたとのこと。





しかし、イランの治安当局は2024年6月4日に、シャンベザデ氏の身柄を拘束。逮捕に際してシャンベザデ氏は家族に対し「なぜ逮捕されたのか分からない」と語っていたそうです。なお、記事作成時点でシャンベザデ氏のXアカウントは凍結されています。



そして裁判所は2024年8月31日に、シャンベザデ氏に対し合計12年の懲役刑を宣告しました。内訳としては「親イスラエルのプロパガンダ活動」が5年、「イスラム教の神聖さを侮辱した」ことが4年、「ソーシャルメディア上での虚偽の拡散」で2年、「反体制プロパガンダ活動」で1年です。

一方でシャンベザデ氏の弁護士であるアミール・ライシアン氏は「裁判所はシャンベザデ氏が『親イスラエルのプロパガンダ活動』を行ったことを証明できる証拠を提出していません」と指摘しています。そのため、ライシアン氏はシャンベザデ氏と話し合った後に、上訴する方針であることを明かしています。なお、イランの検察庁は「シャンベザデ氏がイスラエルの諜報員と接触し、出国しようとしていたため逮捕した」と主張しています。