彼女の手を優しく握りベッドへ導き、宮田さんは予行演習通り、映像を観るためにスマホを操作しようとしました。その数秒後、とんでもない事故が勃発します。

「いきなり大画面に女性の股間が映し出されたのです。しかも、超大音量で女性のあえぐ声も一緒に……。慌ててスマホを操作し直そうと思った瞬間、今度はベッド横の家具との隙間にスマホが滑り込んでしまったんです。映像もあえぎ声も止まりません。彼女は眉をしかめて無表情のままでした。自分のバカさ加減に腹立たしさを通り越して泣きたくなりましたね。たぶん、体位の勉強をするために海外のセクシービデオを見ていて、なんらかのブラウザ操作ミスで再生されたみたいです」

 力づくでベッド横の家具を移動させてスマホを取り出し、ようやく映像を停止させることができた宮田さん。ほっとしたのもつかの間、彼女は軽蔑のまなざしで宮田さんに視線を向けていました。

「彼女に一言『ごめん』と言うことしかできませんでした。その日はそのまま何もせずに家に帰り、それ以降彼女との関係は疎遠になってしまいました」

<TEXT/ベルクちゃん>

―[ラブホの珍エピソード]―

【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営