フロリダ州の運転免許証アプリが突然公開終了となり、使用停止が勧告されました。フロリダ州当局は2025年までに代替アプリを提供する意向を示しています。

Florida Smart ID Frequently Asked Questions - Florida Department of Highway Safety and Motor Vehicles

https://www.flhsmv.gov/floridasmartid/smartidfaq/

Florida abruptly ends support for digital driver's licenses on iPhone and Android - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/07/10/florida-abruptly-ends-support-for-digital-drivers-licenses-on-iphone/

Florida’s digital ID app has suddenly disappeared - The Verge

https://www.theverge.com/2024/7/10/24196044/florida-smart-id-digital-state-id-app-shut-down

フロリダ州の交通当局はソフトウェア開発企業のThales Defense & Securityと協力して運転免許証アプリ「Florida Smart ID」を開発し、2021年11月にサービスを開始しました。Florida Smart IDはiOS版とAndroid版が存在しており、スマートフォンの画面を見せるだけで年齢確認や本人確認が可能になるとアピールされていました。



しかし、Florida Smart IDには「初期設定がうまくいかない」「あまり認知されておらず、身分証明の役に立たない」といった問題が存在。また、フロリダの州法では運転時に物理的な運転免許証を携帯するように義務付けられています。これらの事情が重なり、Florida Smart IDの利用は広まっていなかったとのこと。2023年4月には地元メディアのSouth Florida Sun Sentinelが「フロリダ州の運転免許証保有者1790万人のうち、Florida Smart IDを利用しているユーザーは9万5000人しかいない」と報じています。

また、Florida Smart IDには安定性の問題もあり、2023年6月にはアプリを利用できなくなる障害が発生していました。





そんな中、2024年7月にフロリダ州の運転当局が「現在、Florida Smart IDをアプリストアから削除しています。Florida Smart IDは新たなベンダーによって更新および改善されます」と発表し、準備期間などを設けずにFlorida Smart IDを突然公開停止しました。また、Florida Smart IDのユーザーには「ダウンロード済みアプリは使用不能になるため、デバイスから削除してください」という通知が届いたとのこと。

フロリダ州がFlorida Smart IDの作り直しにどのようなベンダーを選定したのかは不明ですが、海外メディアの9to5Macは「フロリダ州にとって最も簡単な解決策は、Appleが提供しているiPhoneでの身分証明書発行機能や、Google Walletに搭載されている身分証明機能を活用することです」と指摘しています。

なお、iPhoneでの身分証明書機能は日本でも利用可能になる予定で、すでに2025年春にマイナンバーカード機能が搭載されることが決定しています。

Appleが日本でもAppleウォレットの身分証明書機能を展開すると発表、iPhoneでマイナンバーカードが提示可能に - GIGAZINE