ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン126がリリースされました。同一サイト内のページへ移動する際にアニメーションを行う仕組みや、ブラウザ上で動作するゲームからコントローラーを振動させる機能が追加されています。

New in Chrome 126  |  Blog  |  Chrome for Developers

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New in Chrome 126: Cross-document view transitions, CloseWatcher API re-enabled and more - YouTube

◆ページ移動の際にビュートランジションAPIを利用したアニメーションが可能に

同一オリジン内の別ページへ移動する際に、ビュートランジションAPIを使用してアニメーションさせることが可能になりました。

なお、「オリジン」とはスキーマ・ホスト名・ポート番号の組み合わせで、全てが一致しているページへ移動する場合のみアニメーションさせることができます。



アニメーションを有効にするためには遷移前・遷移後の両方のページのCSSに「@view-transition」ルールを設定すればOK。通常のビュートランジションAPIと同様のカスタマイズが可能です。



◆CloseWatcher APIが復活

「CloseWatcher API」は、ユーザーがAndroidの「戻る」ボタンを押すなどによってモーダルやポップアップを閉じたいという意思を示したときに適切にアプリで処理を行うためのAPIとしてChrome 120で実装されましたが、ダイアログ要素との予期しない相互作用のため無効化されていました。

CloseWatcher APIはChrome 126で復活し、再び適切にAPIが使用できるようになりました。CloseWatcher APIを使用することで下記のようにcancelイベントやcloseイベントとしてユーザーのアクションがアプリに通知されます。



◆ゲームパッドAPIにtrigger-rumble機能が導入される

ゲームパッドなどのコントローラーとのやりとりを行うためのゲームパッドAPIに、ゲームパッドを振動させて触覚フィードバックを発生させる「trigger-rumble」機能が導入され、振動機能を持つコントローラーを使用している場合のウェブ上でのゲーム体験が向上しました。

◆その他のアップデート

・端末の位置情報を表すGeolocationPositionおよびGeolocationCoordinatesにJSON形式で出力するメソッドが追加されました

・ChromeOSにおいて、ウェブアプリのタブモードがサポートされました

◆開発者向けのアップデート

・開発者ツールの「アプリケーション」パネルでストレージバケットを確認可能に

同一サイト内で複数のストレージを作成・管理できるストレージバケットAPIによって作成されたバケットの内容を開発者ツールのアプリケーションパネルで確認できるようになりました。



なお、2024年5月にChrome 126からGemini nanoが内蔵されると発表されていましたが、記事作成時点ではChrome 126のパッチノートに記載はなく、Chromeのフラグ欄にも関連機能は存在していませんでした。



また、Google Chrome 126には21件のセキュリティバグフィックスが含まれています。

次期安定版の「Google Chrome 127」は現地時間の2024年7月23日にリリース予定です。