Appleは生成AI機能の詳細を2024年後半に発表するとしており、2024年にリリース予定の「iOS 18」ではAI機能が盛りだくさんになると目されています。記事作成時点でウワサされているiOS 18のAI機能を、Apple関連メディアの9to5Macがまとめました。

iOS 18: Here are the new AI features in the works - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/02/19/ios-18-ai-features-rumors/



9to5Macは「2024年はAppleにとってAIの年となり、iOS 18などの次期メジャーバージョンのOSでは大型アップデートが計画されている」と指摘しています。Bloombergも、AppleがiOS 18で複数のAI機能を目玉とした史上最大のアップデートを計画していると報じました。

AI機能の基盤となるのは、Appleが独自に開発中とウワサされている大規模言語モデル(LLM)のApple GPTです。Appleは2022年に開発を開始した「Ajax」と呼ばれるフレームワークを使用して、さまざまな機械学習プロジェクトを開発しており、これらのプロジェクトを基盤としてAI機能を開発しているとのこと。そのため、AjaxはAppleのすべてのプラットフォームにわたるAI機能の基礎として機能することとなる模様。

なお、AppleはiOS 17.4のベータ版のコードからChatGPTを利用した「大規模言語モデル搭載のSiri」のテストを行っていることも明らかになっています。Appleは独自開発のAIモデル以外にも、既製のAIを用いてAI機能を構築する方向でもテストしているようです。

AppleがChatGPTを利用した「大規模言語モデル搭載のSiri」のテストを行っていることが報じられる、iOS 17.4のベータ版のコードからその存在が明らかに - GIGAZINE



iOS 18で登場するとウワサされているAI機能は以下の通り。

・より賢く、ChatGPTやGoogleのGeminiなどのプラットフォームに似たLLMに基づく新しいSiri

・Apple Musicの新しいAI機能ではプレイリストを自動生成可能に

・Pages、Keynote、NumbersにAIが統合され、要約やコンテンツ生成を自動で実行可能に

・生成AIを活用したより複雑なタスクを実行できるSpotlight

・ヘルスケアアプリApple Watchと統合されたAIを活用したウェルネスコーチング機能

・メッセージアプリの新しいAI機能により、メッセージの自動入力や質問への回答、受信メッセージの要約などが可能に

・コードのブロックを完成させたりアプリケーションのテストを支援したりすることができるAI機能

AppleがMicrosoftのGitHub Copilotに匹敵するコード生成AIツールを開発中 - GIGAZINE



Appleのティム・クックCEOは「生成AIの開発に責任をもって取り組んでいる」と発言しており、Appleが発表前に開発中の計画を明らかにするのは極めて珍しいことであると9to5Macは指摘。Appleが正式発表に先んじて生成AIの開発を明らかにした理由としては、OpenAI、Google、Microsoftなどに後れを取ることを懸念する投資家やアナリストの懸念を和らげるためと考えられます。

なお、Appleはこれらとは別に機械学習モデルをトレーニング・デプロイするためのフレームワーク「MLX」、画像編集AIモデル「MGIE」、プロンプトを入力するだけで静止画をアニメーション化してくれるAIツール「Keyframer」を発表しています。