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プロ野球のペナントレース後半戦が2023年7月22日から始まる。パ・リーグの前半戦を首位で折り返したのはリーグ3連覇を狙うオリックスだ。2位ロッテに3.5ゲーム差、3位ソフトバンクには5.5ゲーム差をつけて首位を快走している。

パ・リーグは上位3チームが勝率5割以上をキープし、4位以下は借金を抱えての戦いとなっている。投打共に安定した力を発揮し、貯金「17」のオリックスがこのまま突っ走って3連覇を達成するのか。オリックスを阻止するチームは現れるのか。J-CASTニュースは、楽天でヘッドコーチを務めた橋上秀樹氏(57)に後半戦を占ってもらった。

「打てるキャッチャーがいるチームは強い」

オリックスの前半戦好調の要因として森友哉捕手(27)の存在を挙げた。森は昨オフ、フリーエージェント(FA)で西武からオリックスに移籍し、今季は63試合に出場して打率.286、12本塁打38打点を記録。7月1日の日本ハム戦で左太もも裏を痛め2日に出場選手登録を抹消され、現在は戦列を離れているが前半戦は守備、攻撃両面でチームをけん引した。

橋上氏は「森選手の加入が非常に大きい」とし、「打てるキャッチャーがいるチームは強い。前半戦、攻撃力が向上したひとつの要因は森選手の打撃。森選手が離脱した後どうなるかと思ったが若月(健矢)選手が踏ん張っている。それほど大きく勝敗に影響せずに戦うことができている」と評価した。

そして「唯一の課題が攻撃力だったが、自前の若い選手がだいぶ育ってきている。今季の打撃の数字を見ると、昨シーズンのソフトバンクと同様の数字を出している。オリックスに歯止めをかけられる可能性が高いソフトバンクがここにきて落ちてきている。現状オリックスの勢いを止められるチームは見当たりません」との見解を示した。

優勝候補の一角とみられていたソフトバンクは7月7日の楽天戦から9連敗で前半戦を終えた。前半戦最後のカードとなったオリックス3連戦では得点力不足に悩まされ、第3戦は4安打完封負けを喫した。

橋上氏は「ソフトバンクはこのままでは終わらないでしょう。どこかで効果的な戦力補強をして反撃態勢を整えてくると思います」と指摘し、「トレード期間はまだあるので、今後どのようなテコ入れをするのか注目している。トレードでなくても外国人選手の補強も考えられますし、調査をしていると思います」と語った。

「ソフトバンクで心配なのは選手のモチベーション」

一方でソフトバンクの不安材料としてモチベーションの低下を挙げた。「常勝チームがここまで連敗してしまうと心配なのは選手のモチベーションです。3連敗、4連敗くらいの連敗ならば『なんとか巻き返して』というような形で一致団結することはあるが、ここまで連敗してしまうと心配です。オースターブレイクの間にどれだけチームを立て直せるか。負けが続くようであれば今後厳しい戦いを強いられると思います」との見解を示した。

3.5ゲーム差で追うロッテについては「選手の起用法、作戦を含めてうまく勝ちを拾えている」と評価し、「オリックスに歯止めをかける可能性があるとすれば、佐々木朗希投手をより多くオリックス戦で起用することだと思います。それでも両チームの戦力を考えるとオリックス優位は否めません」と語った。

橋上氏はオリックスが「黄金期」に突入していると断言。編成力がチームを支えているとし、次のように解説した。

「オリックスは若手の発掘に対して力を入れている。編成の人が足しげく色々なところに通っているというのはよく聞きます。独立リーグにも頻繁に足を運んでいる。自分の足を使って見に行って、自分たちの目で確認して選手を取っている。次の世代を含めて自前の選手の育成にかなり力を入れている。2軍の施設も非常に充実していると聞いています。理想に近いチーム編成だと思います」