ファイル圧縮形式として「ZIP」よりも圧縮率が高く、ファイルサイズを縮められることが特徴の1つである「RAR形式」が、ようやくWindowsでネイティブにサポートされることが、Microsoftの開発者向けイベント「Microsoft Build 2023」の中で発表されました。RAR形式誕生から30年目、WindowsでRAR形式ファイルを扱うのに必要だった「WinRAR」誕生から28年目のことです。

Bringing the power of AI to Windows 11 - unlocking a new era of productivity for customers and developers with Windows Copilot and Dev Home - Windows Developer Blog

https://blogs.windows.com/windowsdeveloper/2023/05/23/bringing-the-power-of-ai-to-windows-11-unlocking-a-new-era-of-productivity-for-customers-and-developers-with-windows-copilot-and-dev-home/



Ahoy, matey! Windows 11 will soon have native RAR support - The Verge

https://www.theverge.com/2023/5/23/23734625/microsoft-windows-11-rar-support-native



Opening RAR files natively in Windows 11 is coming and people online are going crazy over it - Neowin

https://www.neowin.net/news/opening-rar-files-natively-in-windows-11-is-coming-and-people-online-are-going-crazy-over-it/



「Microsoft Build 2023」では「Windows Copilot」をはじめとした、Windowsのいろいろな新機能が発表されましたが、その中で、オープンソースプロジェクトのlibarchiveを使用することで、多数のアーカイブ形式をネイティブサポートする予定が明らかになりました。

libarchiveはマルチフォーマットのアーカイブ&圧縮ライブラリーで、tar、7-zip、rar、gzをはじめとしたさまざまな形式をサポートしています。

libarchive - C library and command-line tools for reading and writing tar, cpio, zip, ISO, and other archive formats @ GitHub

https://www.libarchive.org/



GitHub - libarchive/libarchive: Multi-format archive and compression library

https://github.com/libarchive/libarchive

この中でも「RAR」形式のサポートは、Windows XPのころに最も機能追加リクエストとして多かったものであることを、元Microsoftのミカル・ルイス氏が明らかにしています。



「RAR」はロシア人エンジニアであるユージン・ローシャル氏が1993年に生み出したファイル形式で、名前は「ローシャル・アーカイブ(Roshal Archive)」の略から取られています。

特徴としては、当時から世界的に用いられていた「ZIP」に比べて圧縮率が高いことと、圧縮ファイルの一部が破損しても修復できる「リカバリレコード」の仕組みが採用されたことなどがあります。

1995年にはWindows対応の「WinRAR」が登場しました。WinRARはシェアウェアで、2023年5月14日に最新の6.22ベータ1バージョンが公開されています。

WinRAR archiver, a powerful tool to process RAR and ZIP files

https://www.rarlab.com/



なお、この報道を受けてTechCrunchのデヴィン・コルドウェイ氏は、1999年に始めてRAR形式のファイルに出会ったことを思いだし、WinRARで40日間に設定されている試用期間の終了を知らせるダイアログを数十年も閉じてきたことを「自分はそんなにケチなの?」「このかわいそうなシェアウェアを一生悪用し続けるの?」と振り返って、「コンピューティング人生の大半を共に過ごしてきた、数少ないソフトウェアの1つをサポートするために、『コーヒー1杯』(最近は大体31ドル:約4300円)を支払うのは当然のことでしょう」と、WinRARを購入したことを表明しています。

28 years later, Windows finally supports RAR files | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/05/23/28-years-later-windows-finally-supports-rar-files/