2022年9月1日に「USB4 Version 2.0」の仕様の一部が明らかになっていましたが、新たにUSB規格の仕様策定を行っているUSB Implementers Forum(USB-IF)が、USB4 Version 2.0の詳細な仕様を発表しました。これにより、USB4 Version 2.0では120Gbpsという超高速データ転送をサポートすることが明らかになっています。

USB-IF USB 80Gbps Announcement_FINAL_v2.pdf

(PDFファイル)https://www.usb.org/sites/default/files/2022-10/USB-IF%20USB%2080Gbps%20Announcement_FINAL_v2.pdf

USB4® Specification v2.0 | USB-IF

https://www.usb.org/document-library/usb4r-specification-v20

USB-IFがUSB 80Gbpsの性能を実現する新しいUSB4®仕様の公開を発表 | Business Wire

https://www.businesswire.com/news/home/20221017006055/ja/

USB4 Version 2.0の仕様の一部は、AppleやIntelで構成されるUSB推進団体「USB Promoter Group」が2022年9月1日に発表しており、80Gbpsでのデータ転送に対応することが明らかになっていました。また、「既存の40Gbps対応ケーブルがそのまま80Gbpsでの転送をサポートする」ということも発表されており、ケーブルを買い替えずとも2倍の転送速度を実現できることに注目が集まっていました。

「USB4 Version 2.0」の仕様の一部が明らかに、従来の40Gbps対応ケーブルで最大80Gbpsのデータ転送速度を実現 - GIGAZINE



USB-IFは、2022年10月18日にUSB4 Version 2.0のさらなる詳細な仕様を発表しました。発表の中でUSB-IFは「非常に高性能なUSB4ベースのディスプレイを駆動するといった特定の用途でのオプションとして、USB Type-C信号インターフェースを非対称に構成すれば、一方向で最大120Gbpsを実現して他方向で40Gbpsを維持することが可能です」と述べ、USB4 Version 2.0では最大120Gbpsでのデータ転送が可能になることを明らかにしました。

また、USB-IFのチェアマンを務めるブラッド・サンダース氏は海外メディアのArs Technicaに対して「製品がUSBポートに接続されると、システムソフトウェアが管理するUSB4検出プロセスによって120Gbpsでのデータ転送が可能か否か判断されます。最初に80Gbpsでの転送が試みられた後、120Gbpsでの転送に移行します」と詳細を明かしています。また、120Gbpsでの転送は送信・受信の双方をサポートしていますが、サンダース氏は「コンピューターから高性能ディスプレイへのデータ送信」に120Gbpsでの転送が用いられることになると語っています。

USB-IFは転送速度の発表に加えて、新たなUSB4のロゴも発表しています。USB規格に準拠した製品には転送速度の違いや供給可能電力の違いが存在しており、「それぞれ製品のスペックが分かりにくい」という問題を解決するべく2021年9月に転送速度や供給可能電力を簡潔に示すロゴが発表されていました。今回発表されたロゴは80Gbpsでの転送に対応していることや240Wでの電力供給に対応していることを示すもので、「パッケージに記載するロゴ」「ポートに記載するロゴ」「ケーブルに記載するロゴ」の合計4種類が発表されています。