ダイハツの新しい設計思想、いよいよ新型「軽」から量産へ
DNGA第1弾は当初、20年の市場投入計画だったが、1年前倒し19年中とする方針を2月に示していた。車種数や量産開始時期は明かしていなかった。
DNGAは「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」の略。車づくりの基本概念と位置づけ、その範囲は車設計から事業戦略に及ぶ。ダイハツはDNGAをトヨタ向けOEM(相手先ブランド)車両生産にも適用する考えだ。
日刊工業新聞2019年5月21日
はじまりはトヨタの完全子会社化
“DNGA”のはじまりは、2016年1月、トヨタ自動車によるダイハツの完全子会社化の会見の席だった。ダイハツの三井正則社長(当時)は小型車開発の役割分担について問われ、「(トヨタの設計改革)TNGAとは軸が違う、ダイハツならではのクルマづくりをしていきたい。“DNGA”をやっていきたい」と語っていた。あれから3年、DNGAの断片はダイハツ幹部の口で少しずつ語られてきた。
軽からBセグメントまで
ダイハツ工業は16日、2025年度までの中長期経営計画「D―チャレンジ2025」を発表した。親会社のトヨタ自動車との連携を深め、25年度にダイハツ開発車はグローバル生産台数を15年度比約100万台増の250万台に設定。「DNGA」と呼ぶ新設計思想に基づいた車は軽自動車から投入し、小型車の「Aセグメント」「Bセグメント」まで広げる。新興国の攻略や先進技術の取り込みなども進め、ブランド力を高める。
ダイハツは16年8月にトヨタの完全子会社になり、3月には創立110周年を迎えた。新興国では生産拠点を構えるインドネシアやマレーシアといった東南アジア諸国連合(ASEAN)を最優先に、トヨタの事業基盤も活用して担う地域を広げていく。三井正則社長(写真)は「生産は両社の持つ既存の事業体を有効活用しながら、狙うは良品廉価なクルマづくりだ」と説明した。
電動化や自動運転、コネクティッド(つながる車)などの先進技術は軽自動車やコンパクト車ならではの仕様を想定しており「トヨタにダイハツが入って勉強する」(三井社長)。すでに手がけている安全機能については「既販車に後付けできないか研究している」(同)という。
(内容・肩書きは当時のもの)
日刊工業新聞2017年3月17日
調達部門が描くDNGA戦略
ダイハツ工業執行役員調達本部本部長・枝元俊典氏インタビュー
―トヨタ自動車による完全子会社化で新興国小型車事業を任されました。
「トヨタグループ内で各社の役割が明確化され、ダイハツは軽自動車と新興国小型車領域を担うことになった。その中で調達は、DNGA(開発中の新設計思想)実現を通じてダイハツらしい良品廉価なモノづくりを実現しなければならない」
―具体的には。
「ダイハツは先端技術の低コスト化、コンパクト化を考えなければならない会社。調達としても、先端技術を社会のみんなが使えるようにしないといけない。技術開発の進度を見つつ、段階に応じた発注シナリオを策定・実行する。DNGAに対して調達部門は部品別発注戦略を具体的に描き始めている。新興国は未成熟なサプライヤーが多い。支援しつつ、現地現物で良品廉価な部品を一緒につくり上げていくことが重要だ」
