トヨタと事業統合へ、パナソニックが「世界一の住宅メーカーになる」ために
世界で輝くブランドはBtoC
松下幸之助さんは大好きな経営者だ。強い志を示した「水道哲学」は、私の経営者としての原点だ。幸之助さんの教えがなければ、今のユニクロ、ファーストリテイリングの成長はない。
幸之助さんの経営者の思想に学び、ユニクロが何をしてきたのかをお話したい。我々グループは、売上高が2兆1300億円。海外ユニクロ事業の売上高は国内ユニクロ事業を超えた。世界3位のアパレル製造小売業となった。ここまで来られたのは、ユニクロが変えた服の概念が世界に受け入れられたからだ。服のカテゴリーを超えて、あらゆる人のための高品質な日常の服。「LifeWear」。我々の目指すのは「服の民主主義」だ。
アジア発で常識を覆す
日本は階級意識が薄く、誰にとっても良い服の基盤がある。日本からの視点で、世界の服の共通項を模索した。それは機能と美意識だ。日本は細部へのこだわりが世界一。そして余計なものをそぎ落とす美意識がある。服という部品を使って自分の姿を組み立てるのは日本ならではの考えだ。ムダのないシンプルで機能的なデザイン。お客様に服を使ってもらえるように徹底的に考えた。
洋服は西洋文化だが、日本の美意識や技術で、服の常識をアジア発で覆したい。これからも時代に合わせて、自ら変化を続けたい。
私を含め、多くの日本人がパナソニックブランドに愛着と誇りを感じている。そんな企業だからこそ、激変する今の時代に果たせる役割は大きい。
私がパナソニックに対して持っている期待を伝えたい。非常識なくらい高い目標を持つこと。こうありたいと思うことが、イノベーションのもとになる。人間が想像することは人間は実現できると私は考えている。非常識に高い目標は、あらゆる変革を必要とする。当社は売上高80億円ぐらいの時から、将来はGAP(ギャップ)を超えて世界一のアパレル製造小売業になる目標をつくった。途方もない目標を本気で目指したから、数々のイノベーションを起こすようになった。
パナソニックは世界に通じる技術とブランド力がある。パナソニックは戦後奇跡の復活を遂げた日本のサクセスストーリーの主人公だ。「これこそ日本だ」というものを描いていただきたい。
津賀さん(津賀一宏パナソニック社長)にお願いがあります。車載電池もいいが、BツーBではパナソニックブランドは輝かない。やはりそこはBツーCだ。アップルやグーグル、世界で輝くブランドはみなBツーC。お客様の生活に根ざした最終製品、それも画期的な製品を届けてこそ、圧倒的な魅力を放つ。世界の人に売れるものを作らないと、大きな夢を描いても、より大きな夢を描いた人に取って代わられる。
幸之助さんは世界一のアントレプレナーで、経営者だったと思う。そのDNAを持つパナソニックに期待している。
車の民主主義
例えば、こんな時代だからこそ、もっと大きな夢を持ってほしい。ここにLifeCar(ライフカー)と書いた。世界一の自動車会社になる。そういう大きな夢が必要ではないか。世界一が全部をとって食う時代だ。その前に世界に通用するパナソニックを代表する製品を作らないといけない。
