「入管法」改正、外国人材の受け入れ急ぐ中小製造業
最近の雇用状況や、4月に施行した改正出入国管理・難民認定法(改正入管法)により外国人労働者の受け入れが拡大されたことを受け、アンケートでは中小企業に人手不足や外国人労働者の採用などの見解について聞いた。
現在の正社員数について「適正」とする企業は41社(全体の42・7%)だった。一方、「不足」と回答した55社に人手不足の対策(複数回答)を尋ねたところ、「業務の効率化」が36社と最も多かった。次いで「省力化投資」「定年延長や再雇用」がそれぞれ29社、「採用対象を拡大」の22社、「女性活躍」の21社、「外部委託の推進」「待遇改善」のそれぞれ19社と続く。
ただ、このような対策の多くは新規採用によるものではなく、既存の人員や体制を維持拡大したものが多い。それだけ人材の採用に苦慮している企業が多いと言える。採用活動についての課題(複数回答)については現在の正社員数が「不足」企業のうち「求める人材が来ない」が39社、次いで「募集しても応募がない」の26社、「コストがかかりすぎる」の14社と続き、いずれも「適正」企業が答えた割合を上回った。
粘り強く改善続ける
人手不足の状況を「あきらめている」(十二慎一郎タカオカメガ社長)や「仕方がない」(大野正博中部製作所社長)と見る向きがある一方、ねばり強く状況を改善しようとする動きもある。「採用活動を続けていくと同時に、自動化・省力化も進めていく」(中山慎一ナカヤマ精密社長)。「採用できた人材を地道に育てるしかない。業務全般を見直し、業務支援ツールなどで生産性向上を図るよい機会」(金子勝ミシマックス社長)との意見も出た。
正社員数が適正とする企業の中には独自の取り組みによって限られた人員の中で業務を推進している。「高齢者の雇用や活用を考えるべきだ。先日採用した人は65歳。最高齢で84歳の人が働いているがみんな元気で頑張ってくれている」(石井幹人遠州工業社長)という企業がある。今後、中小企業でも「IoT(モノのインターネット)化を進め、ルーチンワークの自動化を図り、少人数で仕事ができる」(神取勇カンドリ工業社長)という指摘もある。
改正入管法施行、6割が採用「前向き」
とはいえ、人手不足の解消に向けて外国人労働者の採用を真剣に考える企業も増えている。アンケートで外国人労働者の採用に関心はあるかを尋ねたところ、「すでに採用もしくは採用を決定」「検討中」がそれぞれ30社(全体の31・3%)となり、合わせると全体の6割を超えた。
「外国人労働者の採用は製品のノウハウ流出につながりかねないので行うつもりはない」(坂井隆一中国興業社長)との意見もあるが、「採用しない」とする企業は全体で36社(同37・5%)にとどまった。4月の改正入管法の施行も追い風となっているようだ。
すでに採用もしくは採用を決定した企業に受け入れの準備内容(複数回答)を尋ねたところ、「教育制度の拡充」が13社で最も多かった。次いで「福利厚生の拡充」の6社、「規則変更」の5社、「自治体との連携」の4社と続いた。「留学生だったので日本語など問題なかった」(モリタ東京製作所)など日本での生活に慣れた外国人材の採用が目立った。そのため「特別な準備はしなかった」(早川ゴム)、「日本人採用と同じ制度で対応」(近畿工業)といったケースも多かった。
