物足りないところはある。それでも、スカッとした気持ちにさせられるゲームだった。10月16日に行なわれた日本代表のウルグアイ戦である。

 3点失ったのは今後への課題だが、4点取ったのは評価されていい。ゴールに結びついてもおかしくない決定機が、さらに三つはあった。シーソーゲームではなく、つねに先行する展開で押し切ったのも価値を持つ。堅守を伝統とするウルグアイは、間違いなく真剣に戦っていただけに、である。

 ウルグアイ戦には長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、柴崎岳、原口元気、大迫勇也といったロシアW杯の主力が招集された。最終ラインの長友、吉田、酒井宏の3人は、森保一監督のもとでも引き続きチームを支えていくことを証明した。

 大迫も別格の存在感を示した。好機を生かしていれば複数得点を記録できたから、彼自身は納得していないだろう。それでも、1トップとして攻撃の起点になり続けた。歴戦の勇士ゴディンとのマッチアップで、一歩も引かなかった。この28歳もまた、攻撃に欠かせないことをはっきりと示した。

 ダブルボランチの一角を担った柴崎も、チームを引っ張っていくべきひとりである。ただ、ウルグアイ戦では明確な違いを見せられなかった。

 ボランチのポジションでは、遠藤航がシントトロイデンへの移籍で成長速度を一気にあげている。山口蛍や大島僚太らも控えている。柴崎も安閑としてはいられない。

 2列目の定位置争いは、いよいよ面白くなってきた。そもそも定位置を決める段階ではないかもしれないが、来年1月のアジアカップへ向けて序列を定める必要はある。このポジションでは原口が復帰してきたが、中島翔哉、南野拓実、堂安律がウルグアイ戦でさらなるアピールに成功した。香川真司と乾貴士も含めたロシアW杯組の不在を、彼らはまったく感じさせない。

 3人の何が素晴らしいのか。消化不良を抱かせないのである。中島も、南野も、堂安も、「なぜそこで打たない?」とか「なぜそこでパスを出す?」といった疑問を抱かせないのだ。それでいて強引さが目立つわけでなく、ディフェンスでもハードワークするのだ。クラブで試合に出続けていくことが前提だが、彼らをアジアカップのメンバーに選ぶことへのためらいはない。

 9月のコスタリカ戦は東口順昭が、4日前のパナマ戦は権田修一が起用されたGKは、東口が二度目の指名を受けた。ここまで出場機会のないシュミット・ダニエルではなく、ガンバ大阪の守護神がスタメンに名を連ねたのは、GKの序列を表すものと理解していい。所属クラブで出場機会のない川島永嗣、戦線離脱中の中村航輔が競争に加わっていない状況で、森保監督は東口を正GKと見なしているのだろう。

 あとは、CBだろうか。

 新キャプテンとなった吉田麻也のパートナーは、槙野智章なのか、冨安健洋なのか、三浦弦太なのか。あるいは、植田直通なのか。先のルヴァンカップ準決勝で約3か月ぶりに戦列復帰した昌子源も、鹿島アントラーズでのプレータイムを伸ばせば森保監督から声がかかるだろう。

 いずれにしても、人材不足のポジションはない。テストを進めながら世代間の融合もはかった10月シリーズは、申し分のないものだったと言っていい。