今年度のIPOは85件。フィンテック・AI、従来にない新業態も
プロ投資家向けの「東京プロマーケット市場」を除くと実質的な件数は78件。2月以降の株式市場は不安定だが、それ以前まで比較的好調な市況が続いたこともあり企業側の上場意欲は好調だった。
SMBC日興証券は15件ながら、家計用アプリケーションで知られるマネーフォワードやAIベンチャーのパークシャテクノロジーの主幹事を獲得した。テクノロジー銘柄を手がけた実績もあり、「AIやフィンテック関連でのIPOの引き合いが増えてきた」(桑内孝志第一企業法人部長)という。
大和証券は13件。ただ時価総額約6000億円と17年度の大型IPOだったSGホールディングスの主幹事を獲得し、金額ベースでは2位だった。同社は08年のリーマン・ショック以降、一時的にIPO事業を縮小したが、近年再強化したことが奏功した。
18年度も、各社が抱える上場予備軍をみるとIPOは比較的高い水準が期待できる。ただ証券会社や監査を担う監査法人の一部には拡大するIPOに対し、人員不足が徐々に顕在化。特に監査法人では事業を縮小する動きも出ている。このため「21年以降、こうした人手不足がIPOに影響する可能性がある」(関係者)といった先行きを懸念する声もある。
(文=杉浦武士)
