東京都心に350mの木造超高層ビルが出現する?
「日本が木造建築物で世界をリードしていくための新たなチャレンジだ」(市川晃住友林業社長)。現在の構想では東京都心の丸の内エリアに地上70階建てのビルを建てることを想定している。内部が純木造の木鋼ハイブリッド構造で、木材を18万5000立方メートル使用。鉄骨造に比べて新築時に22%の二酸化炭素(CO2)排出量を抑えられるとした。
総工費は鉄骨造のおよそ2倍となる約6000億円と試算した。日本の法制度で建てられる木造建築は、2時間耐火の部材を使った場合で14階建てまで。必要な法整備や規制緩和を国や関係機関に働きかける。
熊谷組は高さ500メートル超の台湾の超高層ビル「台北101」などを建てた実績もあり、住友林業も「W350計画は熊谷組の協力がなければ成り立たない」(佐藤建取締役専務執行役員)と期待を寄せる。
W350計画では、まず20年代前半に高さ70メートルの14階建てビルを建てる計画で、施工は熊谷組が担う見通し。熊谷組も「収益拡大はもちろん、木材の流通促進でCO2抑制に資することもゴールの一つ」(増子寛熊谷組建築事業本部副本部長)。
欧米では環境負荷の低減やCO2の固定化を旗印に木造建築物の高層化が進む。林業先進国と言われるオーストリアのウィーン市では高さ84メートルの24階建てビルが建設中。
日本ではまだ5階建て程度にとどまる。同計画は、日本が木造建築物の高層化で欧米に後れをとっている状況に、一石を投じそうだ。
