現役時代のランディ・ジョンソン【写真:Getty Images】

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通算4875奪三振の左腕が大学OB戦で「『あと一歩』の一打」

 現役時代に通算303勝(166敗)を挙げ、2015年に米国野球殿堂入りを果たした名投手、ランディ・ジョンソン氏が53歳で見せた「打撃」が米国で話題となっている。MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」が「ランディ・ジョンソンは南カリフォルニア大OB戦で本塁打を予告し、『あと一歩』の一打を放った」と伝えた。

 記事ではまず、ジョンソン氏の投手としての偉大さを説明。そのキャリアについて「ランディ・ジョンソンのことでまず思い出すことは、彼のマウンド上での活躍だ。5度のサイ・ヤング賞に4875奪三振、彼が殿堂入り選手となった所以だ」と振り返っている。

 通算4875奪三振は、ノーラン・ライアン(5714)に次ぐメジャー歴代2位の数字。シーズン300奪三振を6回記録するなど、奪三振王に9度輝いている。マリナーズ時代の1995年に初のサイ・ヤング賞に輝くと、ダイヤモンドバックス時代には99〜02年まで4年連続で同賞を受賞。09年限りで現役を引退すると、有資格1年目の2015年に97.3%の得票数で殿堂入りした。

「Cut4」では、ジョンソン氏の説明に続いて、「しかし、彼の投手としての活躍を振り返った時にあることを忘れてはいないだろうか」と指摘。「ビッグ・ユニット(ジョンソンの愛称)は打撃もできる」と続けている。

豪快な打撃に「MLBの歴史に残る偉大な投手の一人であることを再認識」

 記事で紹介しているのは、ジョンソン氏が今月29日(日本時間30日)に南カリフォルニア大学のOB戦で見せたというバッティングだ。

「日曜日に行われた南カリフォルニア大学のOB戦で打席に立ったジョンソンは、1球目を見送ると、バットを外野に向けて掲げた―そう、彼は長打を予告したのだ」

“ホームラン予告”の仕草を見せたジョンソン氏は、2球目を痛打。大飛球に周囲は大盛り上がりとなったが、わずかに柵越えはならず。ジョンソン氏は打球の行方を見て、一塁でストップしている。

「ジョンソンの一打は、レフトフェンスまであと一歩のところまで飛び、シングルヒットとなった(二塁まで到達できたかもしれないが、彼は53歳なのだ)。しかし、この一件は我々にジョンソンがMLBの歴史に残る偉大な投手の一人であることを再認識させた」

 記事では、このように振り返っている。ジョンソン氏のキャリア通算本塁打は1本。03年に40歳でマークした一発は、昨年5月にバートロ・コロン投手が42歳で1号2ランを放つまで、キャリア初本塁打の最年長記録となっていた。また、記事では「思い返せば、彼はMLBで本塁打を放った選手の中で2番目に身長の高い選手であった」と紹介。身長約208センチの左腕のキャリア唯一の本塁打について回顧している。