Googleドライブが大きく改善!サブフォルダの同期設定も可能になり、ストレージ問題は解消か

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容量の小さいSSD搭載パソコンを使っているユーザーにとって、クラウドストレージの同期は頭の痛い問題だ。
何でもかんでも同期していると、ディスク容量があっという間に減るからだ。

しかし、Googleドライブを使っているなら、直近の機能強化によって、この問題が少し解決するかもしれない。

今回は、2016年4月14日に発表されたGoogleドライブの機能された強化について説明しよう。

●サブフォルダ単位で細かい同期設定が可能に
Googleドライブには、WindowsとMac用のクライアントツールが提供されている。
これをインストールするとローカルにGoogleドライブが作成される。
そこにデータを保存すれば、クラウド側のGoogleドライブと自動的に同期される。

このツールを複数のパソコンに入れておけば、すべてのパソコンで、つねに同じデータをローカルで利用できるようになるわけだ。

とても便利なので、何でもかんでもGoogleドライブに保存しがちだ。
しかし、ディスク容量の小さいSSD搭載パソコンで利用すると、あっというまにディスクの空きが減っていく。
そういう場合は、すべてを同期するのではなく、重要なデータだけ同期して、それ以外はクラウドだけに置くのが賢い使い方だ。

こうした使い方をしているユーザーにとって、2016年4月14日のGoogleドライブの機能強化は朗報だ。

これまでも同期するフォルダを指定できた。
しかし、指定できるのはルート直下のフォルダに限られていた。

それが、今回の機能強化によって、2階層目以下のサブフォルダも、同期するかどうかを設定できるようになったのである。

設定するには、Googleドライブの設定画面でフォルダを指定するだけだ。フォルダを選択すると、そのサブフォルダが右側に表示されるので、同期するフォルダ先頭をチェックすればいい。


通知領域のGoogleドライブのアイコンをクリックし、右上のボタンをクリックする。メニューが表示されたら[設定]をクリックする。



設定画面の[同期オプション]タブで、[これらのフォルダのみ同期]を選択し、自動的に同期するフォルダをチェックする。左側で選択したフォルダのサブフォルダが右側に表示されるので、2階層目以下のサブフォルダも設定できるようになった。フォルダごとに容量が表示されるのも親切だ。


●クラウド時代だからこそやっかいな「データはどっちにある?」問題
クラウドにデータを保存するのが当たり前になったいま、データがクラウドにあるのか、ローカルにあるのかをユーザーが把握しておくことは、データ管理の面で重要になっている。

ローカルにあると思ったらクラウドにあった。
こうした場合、ネットワーク障害時にはデータを利用できない。

クラウドにあると思ったら、会社のローカルに保存されていた。
この場合は、外出先のスマホからアクセスできない。

ローカルとクラウドのデータがすべて自動的に同期されていれば、こんな問題は起きない。
しかし、現実には、パソコンやスマホのストレージ容量には制限があるため、こういう問題はなくならない。
今後、クラウドのデータが増大すればするほど、この問題は大きくなる可能性がある。

今回のGoogleドライブの機能強化は、ユーザーが同期フォルダを細かく設定できる点で便利になっているが、この問題の根本的な解決にはなっていない。

そうした中、Dropboxが、クラウドの未同期ファイルをローカルと同様に扱えるようにする「Project Infinity」という技術を発表した。
データがクラウドにあるのに、ローカルにあるのと同じように扱えるらしいが、詳細は不明だ。

ユーザーが知らないあいだにバックグラウンドでデータをローカルにキャッシュする仕組みじゃないか、とか勝手に想像しているが、それだと当たり前すぎて画期的とはいえないし……。どんな機能なのか、ちょっと注目している。

Googleドライブ
Project Infinity


井上健語(フリーランスライター)