読めばもっと楽しくなる選抜準決勝展望!

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 いよいよ第88回選抜高等学校野球大会も準決勝を迎えた。今年、初優勝がかかるのは、秀岳館と智辯学園。龍谷大平安は2年ぶり、高松商は、56年ぶりの優勝を狙う。どちらが決勝を勝ち進むのか?準決勝の見所を紹介していきたい。

準決勝の見所を紹介!

サヨナラ打を放った小川選手(龍谷大平安)

  【第1試合 智辯学園vs龍谷大平安】 両チームの懸念材料を上げると、まず智辯学園のエース・村上 頌樹は、ここまで2完封と安定感十分だが、今大会屈指の好投手・吉高 壯と対戦して勝利したことにより、龍谷大平安には心理的な余裕がありそう。村上はどれだけ龍谷大平安打線の弱点を徹底的についたピッチングができるか注目だ。逆に龍谷大平安の懸念材料はエース・市岡 奏馬の疲労具合。前回の試合で178球。村上は104球。単純な話でいえば、市岡の方が明らかに疲労度は濃い。また智辯学園は、12安打を打っているように、打線は上り調子。智辯学園が準決勝でより調子を上げていくと、ここまで安定感十分の市岡を打ち崩すことも考えられる。智辯学園は、太田 英毅、福元一真の2年生打者コンビが勝負強い一打を見せていきたい。

 しかし百戦錬磨の龍谷大平安。智辯学園・村上を攻略する術は持っていることだろう。2年ぶりの優勝を狙う龍谷大平安にとって、疲労は気にしていられない。あとは彼らに秘める「平安魂」を見せ付けていきたいところだ。 試合スコアとすれば、村上、市岡の両投手の持ち味が発揮すれば、3〜4点の勝負になるのではないだろうか。

 【第2試合 秀岳館vs高松商】 どちらも打線が好調で、そして継投策で勝ち上がってきたチーム。だが分があるのは、秀岳館。秀岳館は出場校を綿密に分析しており、前回の試合も木更津総合の早川 隆久相手に苦しみながらも逆転勝ちに成功した。その早川と比較してしまうと、高松商の投手陣は与しやすいというところがある。そのため、秀岳館打線が高松商投手陣を捉える可能性は十分にある。 高松商は前回、8失点をしたが、守りのミス、投手も単調な投球が目立つなど接戦になると命取りのようなところがあった。選手はとにかく反省していると考えられるが、秀岳館の対応力の高さに持ちこたえることができるかがゲームをコントロールするカギだ。 逆に高松商からすれば、何点取られても打ち勝つ心境で臨んだ方が良いともいえる。

 秀岳館は、ここまで継投策で勝ち上がってきているが、打力が高い相手と対するので、打たれそうになったらどんどん継投をしながらも、最後の切り札としてエース・有村 大誠は残した方が心強いだろう。 お互い打撃力があるので、5点〜7点の勝負になりそうで、終盤までもつれ込む熱戦になることは間違いないだろう。

 準々決勝4試合はどれもが手に汗握る熱戦だった。ぜひ準決勝も歴史に残るようなゲームを期待したい。

(文・河嶋 宗一)

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