キエーヴォ戦で大事な決勝点を挙げたミランMFリッカルド・モントリーヴォ。これまでのキャリアで、最も多くてシーズン4ゴールだった彼は、キエーヴォ戦での得点で、ミランで今季3ゴール目を記録した。だが、この3ゴールはそれ以上の価値を持つものだ。今の彼はベストに近づいており、それを上回っているかもしれないからだ。それは数字だけで示されることではない。

「ゴールに関しては、誇ることはそうできないね。1シーズン4得点というのは、少ないからだ。今回はゴールを取り戻すまで、一周分もかかってしまった。もっとペースを上げなければいけない」

モントリーヴォはこう冗談を口にしている。だが、難しい1週間を始める上で最高のスタートとなったはずだ。次節は敵地でのフィオレンティーナ戦。フィレンツェの出迎えは決してやさしくないだろう。彼のフィオレンティーナ退団はとげだらけだったからだ。モントリーヴォがトーンを下げようとするのは当然である。

「ほかとは違う試合になる。僕はあそこに何年もいたからね。今週はほかと違う日々になるはずだ。でも、僕の目標はミランでチャンピオンズリーグに出場することなんだよ。だから、最大の困難は僕の精神的なコンディションではない。とても強いチームと対戦するということだ」

モントリーヴォは苦しみながらスタートし、ほかの全員と同じように批判されたが、レッテルをはがしてきた。彼はアンドレア・ピルロではなく、マルク・ファン・ボメルでもなく、マッシモ・アンブロジーニでもない。一度、キャプテンマークを手にしてはいるが。そしてそれは、これからもあるだろう。

彼は、リッカルド・モントリーヴォなのだ。ミランとともに彼は成長している。20歳でもすでに若手扱いじゃない選手がいれば、28歳でもまだ多くのことを達成しなければいけない選手もいる。モントリーヴォはすでに、永遠の未完成というレッテルが貼られてきた。それを少しずつ、忍耐強くはがしているのである。

そして同じく忍耐強く、彼はミランで挽回劇を見せ、数カ月前までは理想だった2位の座を追ってきた。モントリーヴォは、こうも話している。

「まだ終わっていない。でも、僕らは道のりのうち、かなり多くを進んできた。キエーヴォ戦の勝利で、いくつかのライバルたちを引き離すことができたんだ。ただ、まだ不十分だよ。どのポジションが好みか? チームにとってベストのポジションさ。ただ僕は、ストライカーみたいにゴールを決めたことをうれしく思っているけどね。決勝点だったし、うれしいよ。このゴールと勝利は、クラウディオ・リッピにささげる。彼のためにも、僕らはうまくやりたいと思っていたんだ」