写真は、日本代表・ザッケローニ監督。昨年10月、パリで行われた国際親善試合・対フランス戦から。(撮影:岸本勉)

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今年最初の日本代表のゲームは2月6日、神戸ホームスタジアムのラトビア戦。その試合に臨む日本代表が1月31日、発表された。

定刻からやや遅れて登壇したザッケローニ監督。「コンニチハ。お元気ですか?!」という笑顔で始まった会見だったが、「Jリーグ組が少ない」という記者たちからの質問が続き、監督の表情は一気に引き締まった。発表終了後、会見場を去るザッケローニ監督はやや微笑んで「グラッチェ(ありがとう)」と言った。だが目は笑っていなかった。


1.「ザックにサプライズなし」
今回のメンバーで初招集となったのは大津祐樹(VVVフェンロ/オランダ)のみ。噂された豊田陽平(鳥栖)などの名前はなかった。今回の試合は、ワールドカップ最終予選のヨルダン戦までは1カ月半以上あり、その試合の直前にはカナダ戦も組まれている。今回は新顔を試すいいチャンスだったのだが……。

「これまでのやり方を復習してもらう」「代表チームなりの役割を再確認してほしい」という意向がこのメンバー選考となった。このメンバーで確認するのは今までの日本代表のやり方。「勇気を持って、バランスを持って、戦術理解度を確認したいし、技術も確認したい」ということだ。

2.「国内組に厳しい選考」
国内組で招集されたのは、林卓人(仙台)、権田修一(F東京)、今野泰幸(G大阪)、伊野波雅彦(磐田)、水本裕貴(広島)、遠藤保仁(G大阪)、高橋秀人(F東京)、前田遼一(磐田)の8人のみ。対して海外組は15人いる。確かに国内組はまだ始動したばかりで試合勘が鈍っているだろうが、海外組は試合の1日か2日前にしか合流できない。だが、ザッケローニ監督は「シーズン中の選手を優先したい」と選考理由を説明した。

「国内組に関しては、いつ合宿が始まったかを見極めて今回の招集に至った」「常連組の駒野友一(磐田)と中村憲剛(川崎F)、栗原勇蔵(横浜FM)、岩政大樹(鹿島)などは、シーズン中のメンバーを重点的に呼びたいということで、代表から漏れたという認識を持ってほしくない」

また、優勝チームの広島から水本だけが招集された理由は「広島は日本に来て3シーズンを見たが、いつもいい戦いをしていると思う。これまでも森脇良太、李忠成、佐藤寿人、西川周作を呼んでいる。だが、今回はシーズン中の選手を優先したから招集しなかった。国内組の招集基準は、キャンプがいつ始まったか、何度トレーニングしたかを考慮した」という説明があった。

なお、海外組で初招集となった大津については「今回は海外組を多く呼ぶのにはいい機会だ。五輪でのいい活躍があったし、右でも左でもトップ下でもFWでもプレーできる。実際に観てみたい。バランスやコンディションを見ながら(使うかどうか)冷静に判断したい」という意向を明らかにした。

3.「中盤はこれが当確選手?」
ポジションのバランスで目立つのはGK3人、DF8人、MF4人、FW8人。ということは遠藤、長谷部誠(ヴォルフスブルグ/ドイツ)、細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)、高橋は今後もザックジャパンの中核選手として今後の大会の当確メンバーということか。

「2人と思っているので、4人いればボランチは十分だと思っている。日本人の選手はユーティリティ性が高いので、他の選手を使うことも考えられるだろう」(監督)。これは、この4人で今後の大会のボランチを回していくといっているようにも取れる。


本日発表。日本代表メンバーは以下のとおり。

GK
林卓人(仙台)
川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
権田修一(FC東京)

DF
今野泰幸(G大阪)
伊野波雅彦(磐田)
水本裕貴(広島)
長友佑都(インテル/イタリア)
内田篤人(シャルケ/ドイツ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)
酒井高徳(シュトゥットガルト/ドイツ)

MF
遠藤保仁(G大阪)
長谷部誠(ヴォルフスブルク/ドイツ)
細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)
高橋秀人(FC東京)

FW
前田遼一(磐田)
岡崎慎司(シュトゥットガルト/ドイツ)
本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)
ハーフナー・マイク(フィテッセ/オランダ)
乾貴士(フランクフルト/ドイツ)
香川真司(マンチェスター・U/イングランド)
清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)
大津祐樹(VVVフェンロ/オランダ)