◆マリナーズ2―1エンゼルス(2日・シアトル) マリナーズの岩隈久志投手(31)が、エンゼルス戦に先発し、7回1/3を5安打無失点で4連勝。後半戦の防御率はア・リーグ4位の2・18と絶好調 だ。一方、レッドソックスの松坂大輔投手(31)は、アスレチックス戦で3回2/3を7安打6失点で4敗目(1勝)。「ヒルマニア」で、オフにフリーエー ジェント(FA)となる両投手の展開を予想した。

 岩隈のマ軍との契約は150万ドル(約1億2000万円)の1年契約。インセンティブは、先発が20試合、投球回は140イニングからで、どちらもクリ アできそうもない。しかし、1年契約が終わった段階でFAになる条項を付けており、バラ色のオフになる可能性は十分ある。

 前半戦の成績なら多くを望めなかったが、後半戦防御率は2・18。トップは完全試合も達成した同僚のヘルナンデス(1・57)で、岩隈はア・リーグ4位(50イニング以上)。最近4試合は被本塁打0という抜群の安定感で、評判はうなぎ登りだ。

 今オフ、FAの資格を得て“市場”に出回りそうな大物の先発投手は、Z・グリンキー(エンゼルス)、R・デンプスター(レンジャーズ)、黒田博樹(ヤンキース)くらいしかいない。この中に岩隈が顔を出す可能性は十分ある。2度黒星を付けられたエンゼルスなど、複数球団が岩隈の調査に乗り出すと言われている。

 2年前にポスティングシステムが破談したことなどで、昨オフは予想以上に低い評価だったが、自らの右腕で実績を積み上げた。

 今季年俸1000万ドル(約8億円)で6年契約が終わる松坂大輔も同じFAとなるが、T・ジョン手術後という事で、基本年俸を抑えられ、インセンティブ部分が再契約の大きなカギとなりそう。その点、岩隈は9月も乗り切るようなら、年平均1000万ドル近い大型契約も決して夢ではないだろう。=随時掲載=