違法でなければ、どんな手段でも問題なし――こんな考え方を肯定する新入社員の割合が過去最高の水準となったことが、日本生産性本部の「2011年度新入社員 秋の意識調査」で分かった。

 今年春の入社から半年を経過した新入社員に聞いた調査によると、「基準や慣習に反しても、法律に反しないことであれば、どんな強引な手段や方法をとっても問題はない」という質問に対して、「そう思う」とする回答が、前年に比べて7.6ポイント増加し、過去最高の28.8%となった。

 入社からまだ半年で、上司や先輩の指示通りに仕事をしたり、顧客先に同行している新入社員も多いと思われるが、このような意識を持つ新入社員が多いことは、企業のリスクマネジメントの観点からは、やや心配な面が感じられる。

 また、上司から会社のためにはなるが、自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示された場合の行動を聞いたところ、「指示通りに行動する」(42.2%)、「指示に従わない」(13.7%)、「わからない」(44.1%)となり、「指示通りに行動する」の割合が過去最高となった。

 「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」と回答した新入社員は52.4%で、春の入社時点の調査結果に比べて18.9ポイント低下し、1999年の調査以来で最低となっている。さらに、「条件の良い会社があれば、さっさと移る方が得だ」という考え方に対して、「そう思う」とする回答は40.7%で、6年ぶりに4割を超えた。

 調査は、10〜11月に実施し、日本生産性本部の新入社員教育プログラム参加者ら315人から回答を得た。

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