冬の移籍マーケットは1月31日で閉まったが、ビジャレアルの元アルゼンチン代表MFフアン・ロマン・リケルメがこの冬の移籍で動くことはなかった。同クラブのフェルナンド・ロッチ会長はリケルメ問題を解決するべく奔走してきたが、リケルメはビジャレアル残留を固辞。彼に届いたオファー全てを拒否したとのことだ。リケルメに届いたオファーはカタール、そしてチャンピオンズリーグで生き残っている2つのチームからのものだったと同会長は明かしている。

 現在、リケルメはビジャレアルで厳しい立場に立たされている。マヌエル・ペジェグリーニ監督との確執から昨年12月17日にホームで行われたオサスナ戦(1−4で敗北)を最後に、国王杯とリーガを合わせ実に7試合連続で招集メンバーから外れている。2007年に入ってからはまだ一度もプレーしていないという状況だ。そして、クラブ側はファンが揚げているリケルメの横断幕を外すよう指示。クラブ側はリケルメを無視していると言ってもいいだろう。

 リケルメを軸に作り上げられたビジャレアル。そのリケルメを外すことに不安視する声もファンから出ていた。2007年に入り国王杯では2部のバジャドリに敗れ、敗退に追い込まれたものの、リーガでは2勝1分1敗とまずますの結果を残している。ペジェグリーニ監督は“脱・リケルメ”化を図っている最中であり、今は生みの苦しみといったところだろう。“脱・リケルメ計画”がうまくいき、結果が伴ってくるようになればファンも納得せざるを得ないはず。さらに、ビジャレアルはペジェグリーニ監督と1年の契約延長をしていることから、リケルメがますます窮地に追い込まれる可能性もある。

 移籍マーケットが閉まった翌2月1日、リケルメはメンバーらとともに通常の練習メニューをこなしている。リーガ次節アウェイでのレクレアティーボ戦でリケルメの招集はあるのか?それともこのまま飼い殺しが続くのか?今のところ、残留したとはいえリケルメの先行きは明るいとは言い難い。

(スペイン通信)