日本へ渡った巨大な台湾ヒノキが“帰郷”  樹齢約1600年

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(苗栗 29日 中央社)日本統治時代に伐採され、日本に運ばれた樹齢約1600年とみられる巨大なタイワンヒノキの切り株がこのほど、台湾に“帰郷”した。この切り株を台湾に持ち帰ったトさんは将来、展示館を建ててヒノキを保管し、新たな生命を与えたいとしている。(ト=さんずいに余)

台湾は森林資源が豊富で、特に南部・阿里山(嘉義県)はヒノキの産地として知られており、日本統治時代、多くのヒノキが日本へ向けて輸出された。トさんは日本の友人宅で巨大なタイワンヒノキの切り株を見つけ、尋ねたところ、友人の祖父が60〜70年前に購入したということが分かった。その重さは2800キロに達する。長い間、日光や雨風にさらされていたが、腐食しておらず、ほぼ完全な保存状態だったという。

切り株には非常に大きな鳳凰の尻尾のように波打った模様のこぶができており、そのためにこれほど良い状態で保存されていたのではと推測するトさん。こぶは非常に貴重で珍しいものだとされる。既に彫刻家によって整えられた切り株は、光沢を放ち、ヒノキ特有の香りを漂わせているという。

トさんはこのタイワンヒノキを台湾に持ち帰るため、知り合いなどに協力を頼み、やっとのことで持ち主の説得に至ったと話す。切り株は現在、苗栗県の園芸センターで保管されており、無料で見学できる。

(盧鋼駿/編集:楊千慧)