自分の2本の腕に加え、背中から生えたもう2本の腕を自由に操って電話をかけたりハンダづけの作業を行うロボットアームの映像が話題になっています。

MetaLimbs: Multiple Arms Interaction Metamorphism (2017) - YouTube

「MetaLimbs」と名付けられたこの装置は、体の後ろに装着した2本のロボットアームを自分の意志で操ることが可能な装置。以下のように、アームの先に取り付けた「手のひら」で電話を握って通話をしながら他の作業を行うことが可能です



MetaLimbsは東京大学の稲見昌彦教授らによるメンバーが開発したもので、「Meta(高次な・超)」+「Limbs(手)」という名称が、その狙うところを意図しているよう。



MetaLimbsは大きく分けて「Robotic Arm System (ロボットアームシステム)」と「Positional Tracking System(位置トラッキングシステム)」からなっており、左右それぞれの足に取り付けられたセンサーなどを使ってロボットアームの動きを制御します。



アームの先端には、さまざまなアタッチメントを取り付けることで用途に合った使い方が可能。



足に取り付けられた光学マーカーを使って足の動きをトラッキングし、ロボットアームの動きに変換して動かします。



また、足のつま先には曲げセンサーが搭載されており……



つま先の動きで、ロボットアームの手のひらを開いたり閉じたりすることが可能。





また、ロボットアームの手のひらに取り付けたTouch Sensor(タッチセンサー)の感知を足に伝えるForce Feedback(強さフィードバック)」を搭載することで、ものを握るときに強さを調整することも可能。



基本的には座った状態で使用されることを想定しているMetaLimbsですが、状況によっては背負った状態で使用することも可能とのこと。



このように、板をMetaLimbsに持たせて……



空いた両手を使って絵や文字を書くことも可能になります。その様子は、まるで仏教の守護神・阿修羅のようにも見えます。



さらに、アームの先端にハンダごてを取り付ければ……



自分の左右の手でパーツをしっかりつかんだ状態で、ハンダ付けの作業を行うことも可能。



「ハンダをアームに持たせるか、自分で持つか」は判断の分かれるところですが、操作の精度が上がるとこのような精密な作業も可能になるのかもしれません。



このムービーは2017年5月24日に公開されたもので、記事作成時点ではまだあまり多くのことは明らかにされていない状態ですが、コメント欄に記載の内容によると、2017年8月に開催されるSIGGRAPH 2017の中で詳細が明らかにされるものと見られます。