第37回 【柚木麻子連載】朝井リョウの本屋大賞のお祝いに、カツ代のキャロットケーキを焼いてみた。意識しないうちに気付けばじわじわ市民権を得ているものというのは、人でもモノでも、えてして目立たなくて穏やかな風情であることが多い。キャロットケーキはその最たるものかもしれない。見た目も味も、素朴ながら、この十年くらいのアフタヌーンティーブームか、はたまたコロナ前後のベイクショップブームの影響か、そのどち