弘法大師の足跡を辿るお遍路――。1200年もの歴史を持ち、現在も四国の至るところで、菅笠(すげがさ)と金剛杖(こんごうづえ)を身に着けたお遍路さんを見かけることは、そう珍しくない。ここ数年は外国人からの人気も高まり、行政やボランティア団体は、世界にお遍路文化を継承すべく精力的に活動中だ。だが、そんなお遍路が今、「遍路道の劣化」という問題に直面している。長年の風雨によって侵食された遍路道は、単に巡礼者に