今更聞けないiPhoneの「フォトストリーム」と「カメラロール」の違いと不思議、あなたは使いこなせている？
実際は「ムービー」も「写真」に含まれるようになったので3つになっている（iPhoneで撮影した動画へのアクセスが「写真」経由というのにも、いまだ若干の違和感はあるが）。簡単なハズだったiPhoneがいつのまにか、微妙にわかりにくくなっている。
よくわからない…と、これまで見ないフリをしていたが、いいかげん受け止める準備をしたい。
◎カメラロールの枚数とフォトストリームの枚数が違うのは何故？
まず戸惑ってしまうのは、カメラロールの枚数（もし複数のカメラロールを作成しているなら、その合計）とフォトストリームの枚数は必ずしも一致しないという事実ではないだろうか。
なんとなくiCloudの機能なのだと推察できていても、これは「？」な現象だ。その話の前に、まずはiCloudとフォトストリームについておさらいしておこう。
iCloudはAppleのオンラインストレージで、Apple IDがあれば5GBまで無料で使用できる。iPhoneで扱うデータ類のバックアップや複数デバイスでのファイルの共有などが可能な、いわゆるクラウドサービスだ。意識して「共有」という作業をすることなく、同じApple IDでサインインした他のデバイスでも同じようにファイルを見ることや、アクセスすることができる。パソコンを使わずにiPhoneやiPadだけで使用するには欠かせない機能で、ほどんどのiPhone/iPadユーザーが利用しているはずだ。
一方、フォトストリーム機能は最大1,000枚の写真をiCloud（クラウド）上に保存してくれるもの。iPhone/iPad本体のカメラロール内に保存された写真を自動的にiCloudにアップロードし、同じApple IDでサインインしているiPhone/iPadでも閲覧・編集することができる（もちろん、設定をオンにする必要はあるが）。このアップロードは、デバイスがWi-Fi接続の状態にあるときに行われるため、すぐに反映されないこともある。直ぐの同期されない場合ではあわてずに待っていればWi-Fiに接続した時に同期される。
このフォトストリーム。自動的に、そして最大1,000枚という制限が肝だ。実は、1,000枚を超えると古い写真から削除されていくのだ。削除といってもフォトストリーム上から削除されるだけで、カメラロール内の写真はそのまま保存されており影響しない。逆にいえば、カメラロール内の写真を削除しても、アップロード済みのフォトストリーム内の写真は削除されない。
そのため、冒頭のような「カメラロールの枚数とフォトストリームの枚数が違う、どうして？」ということになる。完全な削除をするには、本体とiCloudの両方で削除する必要がある。
◎iPhotoでフォトストリームと同期
もう1つ、母艦としてMacを用いる場合のフォトストリームだ。フォトストリームは、iPhotoを使ってiCloud上の写真データを同期する場所だ。iPhotoの［環境設定］でフォトストリームを自動ダウンロードするように設定しておけば、定期的にMacと接続した際に、フォトストリーム上の画像が1,000件を超えて削除されても、Mac上に自動で写真データが保存することができる。
当初iPhoneの写真、動画などのデータは、母艦のMacに移すにはiTunes経由しかなく、これはちょっと面倒だった。自動的にすべて同期すればいいのだが、個別にローカルに持ってきたい場合、手作業になってしまう。つまり、フォトストリームは、実はこのiPhone/iPadから、Macに写真データの保存（iCloud経由で）という面倒な作業を画期的に、便利に、使いやすくする機能だったのだ。現状、写真に限定されるが。
自分の手を煩わさないことで、「フォトストリームに勝手にアップロードされてる」とか「フォトストリームで古い写真が見れなくなった」など困惑しがちだが、フォトストリームを使いこなせば、iPhone/iPadの写真管理が快適になることは間違いない。また、フォトストリームにあれば撮影した写真をiPhone/iPad本体に残しておかなくともいいのだ。これはiPhone/iPad本体のメモリ容量を減らさない効果もあり、メモリ容量の小さい機種でのメリットにもなる。おそれることなく使いこなしたい。
ちなみに、フォトストリームの容量はバックアップ用ストレージとは別になっているので、iCloudの使用容量を気にしなくてもOKだ。
大内 孝子
