3月11日に、東日本大震災からちょうど2年を迎えた。2年前のサッカー界を振り返ってみると、鹿島アントラーズは無期限での活動休止を決め、Jリーグは再開日未定のまま中断となり、3月に予定されていた代表戦2試合も中止となった。

 その中でも、29日には日本代表とJリーグ選抜によるチャリティマッチを行うなど、サッカー界は迅速に動いた。海外クラブ所属の選手たちも積極的にメッセージを発し、7月の女子W杯ではなでしこジャパンが優勝して勇気を届けた。

 震災から復興しようと立ち上がろうとする国民全体に対して、サッカーは大きな存在だったと思う。あの時できうる限りのことをしたんじゃないかな。そしてそれは、2年経った今も続いている。

 大船渡出身の小笠原は継続的な支援活動をしているし、彼に限らず行動している選手やクラブも数多くある。それぞれの立場で、それぞれができることをやるのが一番大切なことだ。

 チャリティというものは、一歩間違えれば興行になってしまう。大切なのは、お涙頂戴の感動ストーリーではなく、小さいながらも、継続的で、目的を見失わない支援活動だ。

 そういう意味で、サッカー人として、サッカーを通して支援する、という小笠原の姿勢は正しいよね。僕も、まだ震災は終わっていないということを常に頭に置いて行動していきたいと思う。

 さて、14日にはW杯出場権をかけたヨルダン戦に臨む日本代表メンバーが発表された。ケガの影響で本田と長友が不在。本田の定位置だったトップ下を誰が務め、どんなオプションが考えられるのか。

 W杯出場権獲得を決めるという目的が一番であるのは間違いないが、メンバー固定化という問題が提議されているザックジャパンにとって、興味深い一戦になりそうだね。逆に言うと、これで機能しなければ、「本田ジャパン」であることが証明されてしまう。選ばれたメンバーには一層奮起してもらいたいね。