先日のCMC Markets Japanのセミナーで紹介したジョークですが、セミナーに参加できなかった人のために繰り返しておきます。

【喰うか、喰われるか】
僕とあなたがジャングルを探検していたとします。とつぜん、目の前に大きな虎が現れました。僕は一目散に駆け出します。あなたは「おまえは馬鹿だな。虎と駆けっこしたって、勝ち目はないだろう?」と愚弄します。そこで僕は「もちろん、虎に勝とうとなんて思ってないさ。君より早く駆ける事ができれば、虎は君を喰うのに忙しくて、僕は逃げ切ることができる。」

FXのマーケットというのは通貨ペアをトレードするわけですから、「ユーロ買い/ドル売り」、「円売り/ドル買い」のように常に2つの投資対象の比較でOdds(勝ち目)の「読み」がなされるわけです。

つまり比較感で「AがBよりもほんのすこしだけマシ」であれば「Aが百点満点、Bが零点」という風に黒白がハッキリつく必要は無いのです。

実際、相場のシチュエーションでは黒白がハッキリ出ることは稀です。そうではなくて、点数にたとえれば51:49というような僅差でAがBに勝つ場合が多いのです。

ドルがユーロに「競り勝つ」ためには米国の貿易赤字を一掃したり、不動産価格をリーマン・ショック前の水準にまで戻す必要は一切、ありません。アイルランドやギリシャの処置をどうするか途方に暮れているEUに勝てば良いだけです

ダメなトレーダーの大半は「いまの瞬間、僅差で勝っているのはどちらか?」という問いを常に発していないし、シナリオの組み立て方が大雑把過ぎるのです。言い直せば、執念でディテールを詰めることをしていないのです。
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