――セカンドアルバムの「明日のために 〜Forever More〜」は、ファーストアルバムの「Secret Code」に比べると若干落ち着いたミドルテンポだったり、色々な引き出しを広げる作業だったと思うんですけど、今回は新たに挑戦したことはありますか？

上木：セカンドアルバムが自分の中では新しいドアを開いた感じだったので、過去を振り返るとすごく過酷だったなぁ、って思うんですけど（笑）。でも、セカンドアルバムを越えて自分の引き出しが増えた分、3枚目のアルバムは、楽曲に対して思い描くイメージだったり、「こうやりたい」「ああしよう」という意欲だったりが、本当に今までに無いぐらい自分の中で生まれてきていて。今、自分の中にある最大限の力を掛けて作ったアルバムですね。

――“リアルなもの”をコンセプトにしたのは、何かそうしようと思うきっかけがあったんですか？

上木：具体的なきっかけというのはあまり無いんですけど、「素直に思ったことを、伝わりやすく作っていけたらな」というのは今に始まったことじゃなく、昔からそういう音楽を作りたいと思っていたので。

――セカンドアルバムではディレクションまで担当されていましたが、今回は？

上木：シングルが立て続けで、結構アップアップなのもあったし、アルバムに対するアイディアが自分の中で色々とあったので、ディレクターには来てもらいました。それでディレクターと話し合って、「こうしようか」「ああしようか」という共同作業みたいな感じで進みましたね。

――前作に比べて、今回の制作作業がスムーズになったように感じることはありますか？

上木：全体的にすごくスムーズになっていますね（笑）。自分の意見とスタッフの意見とを、ちゃんとすり込めている所は、本当に今までとは違うかな。多分、自分のこだわりみたいなものがどんどん出てきて、それを形にしたいと意思表示できているからなのかなと思いますね。

――コミュニケーションを取るのが上手くなった？

上木：3年目にもなって、段々と按配が分かってきたので、上手くやりたいなと（笑）。

――自身の成長もありつつ、周囲の制作環境で言うと、スタッフ含めた制作チームが固まってきたのもありますか？

上木：そうですね。根幹のスタッフとか制作チームとかの人はほぼ変わらないので、多分私が好きなものとか、好きな感じのギターの音づくりとか、音色とか、コーラスとかを、段々と言わなくても周りが分かってくれるようになってきているのだと思う。

・第1回「コンセプトは“リアルなもの”」（2008年09月10日）
・第2回「一言二言、自分の思っていることを言えたらいい」（2008年09月17日）
・第3回「ライブが終わると抜け殻みたいになる」（2008年09月24日）
・第4回「simple is best」（2008年10月01日）
・第5回「いざ、このアルバムを引っさげて」（2008年10月08日）

・上木彩矢 ニューアルバム「Are you happy now?」特集