YouTubeチャンネル「世界史解体新書」が「【イラン】アメリカとの戦争が新局面!「イランが勝った」「アメリカが勝った」と言える理由とその真実」を公開した。予備校講師の土井昭氏が、イランとアメリカの停戦合意である「イスラマバード覚書」を巡り、両国の「勝利宣言」の根拠とその背後にある国際情勢の真実を解説している。

土井氏はまず、2026年に結ばれた「イスラマバード覚書」の内容を概説する。全ての軍事作戦の即時停戦やイランに対する経済制裁の解除などが盛り込まれたこの合意に対し、ネット上やメディアでは「イランの勝利」「アメリカの勝利」と評価が真っ二つに割れているという。

イラン勝利を主張する声の根拠として、土井氏は核開発の制限が非常に緩い点を指摘する。イラン国内でウランを希釈するとされたものの具体的な数値目標が明記されておらず、「いつでも再濃縮できる」状態にあると説明。さらに、海外資産の凍結解除や巨額の民間基金の設立、ホルムズ海峡での通行料徴収の可能性が残されたことなどを挙げ、「イランの体制も転覆できなかったし、核放棄もなし崩しになった」とイラン大勝利論を裏付ける。

一方で、アメリカ勝利と主張する意見の背景には「対中国戦略」があると解説する。イランの海軍力が壊滅状態に陥ったことに加え、アメリカにとって最大の脅威は2027年の台湾有事を見据えた中国であると指摘。「アメリカは覇権を巡って中国を主要敵としている」と語り、中東に足止めされることを嫌い、中国にリソースを集中させるためにイラン問題を早急に片付けたと、大局的な視点からアメリカの戦略的勝利を紐解いている。

動画の最後で土井氏は、それぞれの立場から見る「勝利」の形が異なると結論付ける。表面的な合意内容だけでなく、その裏に潜む世界各国の思惑やパワーバランスを読み解くことで、複雑な国際情勢のリアルが浮き彫りになる興味深い解説となっている。