相場展望6月18日号 日本株: 史上最大スペースXのIPO後、NYダウやっと下落・日経は上昇 米国株: 自称「交渉の達人」トランプ氏、結局はイランに翻弄され屈した
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)6/15、NYダウ+468ドル高、51,671ドル 2)6/16、NYダウ+328ドル高、51,999ドル 3)6/17、NYダウ▲507ドル安、51,492ドル【前回は】相場展望6月15日号 米国株: 超大型3銘柄のIPO・イラン戦闘終結「核抜き合意」後に注意 日本株: イラン戦闘「部分合意」なのに、6/15日経平均は上げ幅が大きい
●2.米国株: 自称「交渉の達人」トランプ氏は強気で脅したが、結局はイランに翻弄され屈した
1)自称「交渉の達人」トランプ氏は強気で脅したが、結局はイランに翻弄され屈した (1)覚書内容は、イランの勝利 ・覚書の要点 ・制裁緩和 ・凍結資産の段階的解除 ・イランの核問題は事実上先送り(60日間の停戦延長内で協議) ・ホルムズ海峡の開放 ・イラン経済投資基金3,000億ドル(約48兆600億円) ・イラン産原油の輸出禁止に対する即時制裁免除 ・イランのホルムズ海峡通行料金徴収の可能性を排除していない ・レバノンの主権維持(2)トランプ氏の弱点「中間選挙」、イランは弱点を凝視し有利に交渉 ・トランプ氏は支持率回復を狙って、ガソリン価格大幅低下のため妥協。中間選挙での勝利を狙ったつもり。トランプ支持率:大統領就任時47%⇒直近35%と急落。 ・米国建国250年記念祭7月4日に「戦争に勝った大統領」として振舞いたい。 ・そのため、見栄っ張りのトランプ氏はイランの思う壺で後退・妥協した。
(3)トランプ氏が常に攻撃してきたオバマ政権のイラン協定よりも、大幅後退。
(4)トランプ政権がイラン戦闘で設定した目標を達成できていない。
(5)トランプ氏、イラン覚書で非難されると「イラン次第で攻撃再開」と悪あがき。
2)スペースXの株価、ついに6/17下落 (1)スペースXの上場来の株価 6/12 160.95ドル 上場 6/15 192.50 +19.6%高 6/16 201.80 +4.8 6/17 191.82 ▲4.9 %安
(2)あと超大型の新規株式公開(IPO)が2銘柄控えている、その後、注意 ・相場の流れが大きく変わる可能性を秘めているため。
●3.米国FRB、4会合連続で金利据え置きを決定、インフレ持続性を見極め(毎日新聞)
1)パウエル前議長は、FRB理事として留任したうえで会合に出席した。●4.米国、ミサイル・弾薬増産へ国防生産法を発動、ヘグセス国防長官に委任、供給加速(共同通信)
●5.米国5月の小売売上高+0.9%増の7,637億ドル(約122兆円)(共同通信)
●6.対イラン覚書、目立つ譲歩に米国内から批判「妥協策だ」、イラン側は「勝利宣言」(読売新聞)
●7.米国・イランで説明食い違い、核問題やホルムズ海峡など、交渉難航必死(読売新聞)
●8.米国・イラン合意、「脅威消えない」とイスラエルは不満、ネタニヤフ政権からの反応は「合意に従う義務はない」(読売新聞)
●9.「仲裁者」ハメネイ師を失ったイラン、戦闘の損害額は43兆円に(毎日新聞)
1)イランにとって、今回の戦闘でイスラム体制が存続したことは最大の「勝利」と言える。米国・イスラエルの当初の思惑は崩れ去った。2)覚書の詳しい内容は明らかではないが、今後の交渉を通じて凍結資産や経済封鎖の解除が実現すれば、イランにとっては大きな成果だ。国内の経済情勢が改善すれば、体制の基盤固めにもつながる。
3)イラン国内の政治的対立(革命防衛隊との)がかつてないほど深まったと指摘。仲裁者だったハネメイ師が死亡したことで指導部内部の競争が一層激化し、米国との交渉を巡って意見の対立が生じていたという。
4)体制の変化は、今後の今後の焦点である核開発などにも影響する可能性がある。イランはオマーンと共同で海峡を管理し、船舶の安全確保と引き換えに「サービス料」を徴収する構想を描く。
5)イランは11月に中間選挙を控えるトランプ政権の「時間的制約」を理解しており、核開発などの主要議題でほとんど譲歩してこなかった。
6)ただ、イランは戦闘損害額が2,700億ドル(約43兆円)に上る試算。米国メディアによると、100万人以上が職を失った。イランの経済危機が深刻化すれば、大規模な反政府デモを引き起こしかねない。
●10.トランプ大統領80歳の誕生日、ホワイトハウスで格闘技大会、上空には編隊飛行を披露する米国軍戦闘機、「私物化」との批判も(TBS)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)6/15、上海総合+64高、4,096 2)6/16、上海総合▲4安、4,091 3)6/17、上海総合+16高、4,108●2.中国・小売売上高が3年5カ月ぶりのマイナス、5月エネルギー高騰が追打ち・自動車低迷
1)5月小売売上高は前年同月比▲0.6%減だった。4月+0.2%増から悪化。(産経新聞) 中国政府が厳格な新型コロナ対策を事実上撤回し爆発的な感染拡大が起きて中国経済がまひ状態に陥った2022年12月以来。2)中国では不動産不況を背景とした内需不足が続いており、そこに中東情勢混乱に伴う世界的なエネルギー価格高騰の追打ちが加わっている。
3)小売売上高の内訳では、自動車が▲16.1%減と減少幅を広げた。ガソリン価格高騰と政府によるEVへの税制優遇措置の縮小が響いた。飲食店収入は+0.6%増だが、4月の+2.2%増から縮小した。
4)5月新築住宅価格指数は、主要70都市のうち52都市で4月から下落した。5月中古住宅価格指数は、全70都市のうち57都市で下落し、下落都市数は増加。
5)鉱工業生産は+4.5%増と、4月+4.1%増から加速した。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)6/15、日経平均+3,297円高、69,317円 2)6/16、日経平均+87円高、69,404円 3)6/17、日経平均+497円高、69,902円●2.日本株 : 史上最大スペースXの新規株式公開(IPO)後、NYダウ下落・日経は上昇
1)6/16、一時、日経平均7万円台乗せ、海外短期筋の買い上がりで、最高値を更新 (1)日経平均上昇の要因 1. 予想通りの日銀の利上げで短期筋が買い 2. AI・半導体関連株の買い広げる(2)株価指数 日経225 ・・ +87円高 +0.13%高 6/16の最高値は70,020円 TOPIX ・・ ▲ 8安 ▲0.21%安
(3)ただ、「日銀の利上げ」という株式相場にとってマイナス要因にもかかわらず日経平均は一時+703円高、終値で+87円高したのは不可解。利上げで、住宅ローン金利も上昇し、日本経済にとってマイナスとなる。借入企業にとっても企業業績にマイナスに働くためだ。
2)史上最大の米国スペースXの新規株式公開(IPO)後、NYダウは下落・日経は上昇 (1)日経平均の強さが目立つ。
(2)NYダウの軟調に対比して、スペースXの株価は上昇したが、6/17に初めて下落。
(3)超大型IPO銘柄の新規上場は、あと2銘柄⇒2銘柄上場以降の米国株に注目。 ・相場の流れに変調を来すか、否かに注視。
3)日経平均寄与上位5銘柄の状況 (1)6/15、日経平均+3,297円高、寄与上位5銘柄+1,994円高、占有率60.47% ・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅 ソフトバンクG +537円高 +10.31%高 +667円高 アドバンテスト +506 +7.67 +2,095 東京エレクトロン+479 +7.00 +4,760 イビデン +244 +19.08 +3,645 キオクシア +228 +11.96 +9,710 合計 +1,994円高
・寄与上位10銘柄の上昇寄与額は+2,565円で、日経平均上昇幅の77.79%を占めた。人工知能(AI)・半導体関連銘柄の株価上昇が日経平均を押し上げている構図。
(2)6/16、日経平均+87円高、寄与上位5銘柄+498円高、占有率5.72倍 ・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅 アドバンテスト +222円高 +3.13%高 +920円高 キオクシア +89 +4.19 +3,810 フジクラ +79 +9.02 +392 ファーストリテイ +70 +1.07 +870 村田製作所 +38 +4.67 +470 合計 +498円高
・下落寄与銘柄は、東京エレクトロン▲191円安、TDK▲52円安、ソフトバンクG▲30円安、ディスコ▲25円安、レーザーテック▲23円安。 ・人工知能(AI)・半導体関連銘柄の中で上昇・下落と対立した。
(3)6/17、日経平均+497円高、寄与上位5銘柄+471円高、占有率94.76% ・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅 東京エレクトロン +179円高 +2.51%高 +1,780円高 イビデン +104 +6.92 +1,555 レーザーテック +82 +13.16 +6,130 ファーストリテイ +76 +1.15 +950 キオクシア +30 +1.35 +1,280 合計 +471円高
・海外短期投機筋は、(1)株価先物+(2)AI・半導体関連の少数の値がさ株とを使い、日経平均を思うがままに操縦しているように見受けられる。
4)日経平均とNYダウの直近5日間は上昇基調ながら、日経平均の強さが目立つ ・6/11~17、5日営業日の株価 日経平均 NYダウ 6/10終値 64,179円 49,918ドル 6/17 69,902 51,492 上昇幅 +5,723円高 +1,574ドル高 上昇率 +8.95%高 +3.15 %高 ・イラン戦闘停止・原油安と外部環境は変わらない中、日経平均の上昇が目立つ。 ・6/17の米国主要株価指数は前日比、総じて下落した。 NYダウ ▲507安 ▲0.97%安 ナスダック総合 ▲354 ▲1.35 S&P500 種 ▲91 ▲1.21 半導体株(SOX) +182高 +1.38%高
5)超大型新規株式公開(IPO)を成功させた米国株も一服か。日本株への波及は? ・日経平均の動向は、海外短期投機筋が握っているため、その動き次第の展開となっている。
・海外短期筋は、米国株よりも日経平均の方が儲けやすいと見ているのだろう。
・ただ、日本勢は一貫して売り方に徹している。 ・年金基金、都市銀行・地方銀行は年初から売り継続している。 ・海外短期筋に同調する動きをする証券(自己部門)も最近は売り継続中だ。 ・自己株式買いの事業会社は買い続けている。
・海外短期投機筋が、日経平均の高さに「怯える」までは買い続けるのだろう。「高値つかみをしない」ようにしたい。
●3.日銀は6/16、政策金利1%程度に引上げ決定、31年ぶりの水準(FNN)
1)中東情勢の影響で物価の上振れリスクが高まっていることを踏まえたと見られる。●4.国産LNG船の建造再開へ、2035年頃、今治造船・川崎重・名村造船3社協業(共同通信)
1)造船は政府の重点投資17分野の一つで、船主への支援も検討する見通し。政府は建造量を2035年までに1,800万総トンに倍増せせることを目指している。●5.半導体企業キオクシア、トヨタ抜き時価総額44兆円で首位に、AI需要を追い風に急伸(日経新聞)
1)2027年2月期営業利益は前期比+8倍の7兆円の見通し。トヨタの3兆円を大きく上回る水準。■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・3685 北越 原油安で業績向上 ・4592 第一三共 業績好調 ・8750 第一ライフ 金利引上げで収益増執筆者プロフィール
中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
