「上手いだけではダメ」若くして海を渡ったNEC佐野航大が欧州で得たもの。理想の選手像とはーー「8番の位置で勝負したい」【インタビュー】
若くして世界へと飛び出したMFは、すぐさまチームの主力となり定位置を確保。クラブでの活躍が認められて、今年6月には森保一監督が率いる日本代表に選出。A代表デビューを飾っている。
オランダの地で研鑽を摘むMFは、どのような覚悟を持って海外挑戦を決断したのか。
昨季は怪我による離脱がありながら、エールディビジで26試合に出場し、3ゴール・2アシストを記録した。海外2シーズン目となったシーズンをこう振り返る。
「怪我もあって1年間を通して戦うことはできませんでしたが、それ以外ではプレータイムを確保できました。もう少し数字を残したかったというのはありますが、6月には日本代表に選ばれたので、そういった意味では良いシーズンだったかなと思います。
オランダ1年目は相手が誰も自分の情報を持っていないなかでプレーして、ある程度結果を残せました。2年目が悪かったわけではありませんが、怪我で離脱する時期があったのは残念でした。それでも1年目と比べるとオランダに慣れた部分もあり、プレー的にもメンタル面でも、多少の余裕はできました。もちろん相手は自分のプレースタイルを分かってきて、対策してきますが、まずは自分のやるべきことを整理することが1番だと考えています」
欧州の地では日本との違いを感じながらも、厳しい環境に揉まれ、日々着実に進化を遂げている。
「エールディビジとJリーグではプレースピードや強度が全然違います。タックルの強さや、切り替えの速さ、特にカウンターやショートカウンターに大きな差を感じます。その部分には適応できるようになってきていますし、戦術理解度や適応能力は、海外でも通用すると思います。また特にボールを持った時は、全然やれるなという感覚はあります。ただ一方で、足もとの技術だけでは十分とは言えません。上手いだけの選手ではダメで、プラスアルファでフィジカルの部分も必要です。後は、日本にいた頃と比べると、ミスをいちいち気にしなくなりました。一つひとつのプレーを気にしている間にやられてしまうので、すぐに切り替えられるようになりました。ミスして落ち込んでいる表情を相手に見せてしまうと、そこにつけ込まれてしまいますから。
また、コミュニケーションに関しては、基本的には英語で、こっちにきた当初は、ほぼ何もわからない状態でした。でも今では日常会話はストレスなくできますし、サッカーの指示も日本語ほどではないですが、問題なく理解できています。あと小川航基選手と塩貝健人選手がチームにいるのも大きいです。ライバルであり仲間でもある。みんな仲も良くて、良い関係が築けていると思います」
ボランチやトップ下、サイドハーフなど複数のポジションをこなせるユーティリティプレーヤーでもある佐野が、ピッチ上で最も意識していることは何なのか。そして理想の選手像とはーー
「1番はやはりチームが勝つこと、そしてゴールを決めることです。あとは、試合の流れを読みながら今、チームに何が必要かをつねに考えてプレーするようにしています。
小さい頃は香川真司選手のプレーをずっと参考にしていました。ゴール前でのチャンスメイク、良いポジショニングでボールを受けてチャンスを作り出すところ、そして点も決められる。最近で言えば、(マーティン・)ウーデゴー選手や(フロリアン・)ヴィルツ選手のプレーも見ています。でも以前と比べると今は特定の選手に注目するというより、いろんな選手の良いプレーを見ることのほうが多いです。これまで対戦したなかで、衝撃を受けたのは、PSVのルーク・デ・ヨング選手です。ヘディングが強くて、左右にボールを振り分けられる。相手にいてすごく嫌なプレーヤーでした。
自分の中での理想は点を取れる選手です。そしていろんなポジションでプレーしていますが、1番はボランチ、8番の位置で勝負したいと思っています。攻撃でも守備でも貢献できる選手になりたいです」
※後編に続く。次回は7月31日に公開予定です。
取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)
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