第24回日刊スポーツ映画大賞・助演男優賞受賞に笑顔でVサインする西田敏行さん(2011年11月撮影)

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俳優西田敏行さんが都内の自宅で亡くなったことが17日、分かった。76歳だった。10月8日にも都内で行われた映画「劇場版ドクターX」の完成報告会見に出席しており、突然の別れとなった。

67年のドラマ「渥美清の泣いてたまるか」で俳優デビュー。71年主演舞台「写楽考」で脚光を浴び、78年「西遊記」80年「池中玄太80キロ」などのドラマで注目を集めた。

愛嬌(あいきょう)がある顔立ちと人情味あふれる演技で、どの作品にも圧倒的な存在感を放った。88年「敦煌」93年「学校」で、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。代表作となった映画「釣りバカ日誌」シリーズは、西田さん演じるハマちゃんと三国連太郎さん演じるスーさんの軽妙な掛け合いから生まれる珍道中が人気を集めた。88年から09年まで22作続く大ヒットシリーズとなった。

NHK大河ドラマには12作品に出演。84年「山河燃ゆ」90年「翔ぶが如く」95年「八代将軍吉宗」00年「葵 徳川三代」の4作品で主演した。主演4回は大河史上最多だった。最近は米倉涼子主演のテレビ朝日人気ドラマシリーズ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」に出演した。

歌手としては81年「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒット。NHK紅白歌合戦に4回出場した。01年からバラエティー番組「探偵! ナイトスクープ」の2代目局長に起用され、「局長」と親しまれた。

11年東日本大震災以降は生まれ育った故郷・福島の復興にも尽力した。被災地に何度も足を運び、トークや歌で被災者を励ましてきた。楽天のファンクラブ名誉会員だったが、熱心な阪神ファンで知られた。

03年に心筋梗塞で倒れ、一命を取り留めた。快復後は1日100本近く吸っていたたばこをやめ、当時減量にも成功した。16年には自宅ベッドから転落して首を痛め、「頸椎(けいつい)亜脱臼」と診断され、腰椎の一部を頸椎に移植する手術を受けたり、胆のう炎を発症し、胆のう摘出手術も受けるなど、病気やけがなど体調に不安を抱えた時期もあった。