【ソウル時事】朝鮮中央通信は17日、北朝鮮が韓国を「徹底した敵対国」と明記した憲法改正を行ったと報じた。

 金正恩朝鮮労働党総書記は2023年末、目標として長年掲げてきた南北統一を放棄し、韓国を敵国と位置付ける路線転換を表明。今年1月に改憲を指示しており、体制維持に向け内部の結束強化を図ったものとみられる。

 同通信は今月15日の南北軍事境界線北側での道路と鉄道の爆破を伝え、「韓国を徹底的な敵対国として規定した憲法の要求を踏まえた措置だ」と説明。爆破により南北間を完全に遮断し、境界線を閉鎖したと強調した。

 北朝鮮は7、8両日に開いた最高人民会議(国会に相当)で憲法を改正したが、南北関係に関する事項はこれまで公表しなかった。17日の報道も、改正後の条文の詳細を伝えていない。

 正恩氏は1月に「自主、平和統一、民族大団結」といった条項を削除し、韓国を「第1の敵対国、不変の主敵」と見なす教育を明記するなどの改憲を命じた。「国境」の設定も指示していた。