迫力満点! 名物「出石喧嘩だんじり」最長17mのだんじりがぶつかりあう 13日(日)開催

写真拡大 (全5枚)

 全国的に秋祭りシーズンがピークを迎えるなか、平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、但馬國出石観光協会の中原裕平さんが出演。10月13日(日)に開催される名物「出石喧嘩だんじり」について語った。

但馬國出石観光協会の中原裕平さん

 兵庫県豊岡市出石町は、祭りが盛んな地域。なかでも、毎年10月中旬に開催される秋祭りは注目度が高く、各地区の山車が激しくぶつかり合う「喧嘩だんじり」が人気だ。

 同祭りは、江戸時代中期にはじまったとされ、3神社10地区の氏子が参加し、各地区ごとに作られた約17メートルのだんじりをぶつけあい勝敗を競う。

 喧嘩だんじりは現在、警察立ち合いのもと、出石城跡周辺で合図に従い対戦する。もともと五穀豊穣を祝う祭りとして生まれたそうで、中原さんによると「だんじりに関しては治水権の争いから生まれたという説もあり、街の中で目と目が合うとだんじりをぶつける、まさに一触即発だった時代もある」という。

 住民は同祭りを毎年心待ちにしており、9月後半に入ると準備に追われる。だんじり上部の締め縄は、稲刈りを終えた藁(わら)を用いて地区ごとに縄をなう(=藁を1本により合わせる)。どんなに戦況が悪くなろうとも音を途切れさせてはいけないという太鼓は、少しでも勇壮な響きになるよう、本番まで練習を積み重ねる。

 例年、山車が大きく破損する地区は少ないが、新調する場合は17〜18メートルもの大木を切り出すところからはじまる。当日は、山車を担ぐために帰省する人もいるほどだ。

 ルールはシンプルで、互いのだんじりをぶつけ合い、棒上にある4本の柱を破壊したほうが勝ち。地区の規模によりだんじりの大小が異なるため、同規模のだんじり同士が対戦する習わしになっている。

 地区ごとにどのポジションを誰が担うのか、ローカルルールもあるという。学生時代から参加している中原さんはこれまでを振り返り、こう語る。

「最初は、後方あたりから。その後、父が長い間太鼓を叩いていたので、太鼓役を任されました。ちょうど柱辺りで打ち続けるため、狙われやすいんですが(笑)。いかにかわしながら相手にカウンターを差し込めるかが醍醐味なんです」(中原さん)

 中原さんの話を受け、平田さんはこのように続けた。

「出石は落ち着いた町という印象があるから、偶然来られた観光客は驚かれるでしょうね。城崎もだんじりは盛り上がりますからぜひ、但馬の祭にも親しんでいただきたい」(平田さん)

 リスナーに向けて、中原さんはおすすめの楽しみ方を紹介した。

「王道ルートは、出石皿そばを召し上がっていただいたあとに辰鼓楼を見学し、だんじりで手に汗握っていただく(笑)。周辺駐車場は込み合いますので、公共交通を利用するなど、余裕をもってお越しください」(中原さん)

但馬國出石観光協会の中原裕平さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同左)、田名部真理(同右)

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年10月10日放送回より